お世話になってます!
諜報部長!諜報部員のDです。

台風の後に大地震が続き、
大変な思いをされている方が、
多くいらっしゃると思います。
被災された方へは、
心よりお見舞い申し上げます。

一日でも早い、復旧と
通常生活への復帰を祈念しております。

さて、本題ですが
今回も前回に引き続き、
「高齢化社会における遺言・成年後見・家族信託」
という内容をお話していきます。

■高齢化社会における遺言・成年後見・家族信託~②成年後見制度について

前回は、遺言の問題点について触れました。
遺言は、資産をお持ちの方が亡くなって、
被相続人となった時には非常に有効なものですが、
生前に認知症になった場合の対策が遺言では応対出来ません。

資産を保有されている方が生前に認知症になると、
「預貯金が凍結されてしまう」
「介護施設に入居するための資金を
子供等の親族が負担しなくてはいけなくなる」
「不動産や有価証券の売却が出来ない」
「自社株の移転が出来ず、自社経営に影響が出る」
といった事が発生する可能性について、
言及致しました。

では、今回はそういった問題点が
「成年後見制度」で対策出来ないか?
という話を中心に進めていきます。

●成年後見制度のメリット

では、前回の遺言に関する内容で触れた、
資産を保有されている方が
認知症になってしまった場合の問題点について、
成年後見制度では、このような問題を
解決できないのでしょうか?

成年後見制度に基づく後見人がいれば、
本人に意思確認ができなくても、
凍結された銀行口座を解凍したり、
不動産の処分をしたりすることが可能となります。
後見人が手続きをすれば法的には問題ありません。

後見人には裁判所が選ぶ法定後見人と
本人が選ぶ任意後見人があります。

●法定後見人のデメリット

まず、法定後見人について説明していきます。
成年後見制度が始まった当初は、
配偶者や子などの親族が
法定後見人になるケースがほとんどでした。
でも今は違います。

裁判所は、弁護士や司法書士などの
親族以外の専門家を後見人として
選任するケースが多くなりました。
その理由は、法定後見人となった親族の使い込みが
あまりにも多かったからです。

法定後見人の役割は本人の財産を守ることです。
親族以外が法定後見人となった場合には、
結局、預貯金が凍結された状態と
あまり変わらないかもしれません。

もちろん、本人が施設に入るための費用などは
預貯金から払うことはできますが、
その施設に関しても、
親族が入れたいところに入れられるかは
法定後見人の判断となります。

また、法定後見人には毎月の報酬を
支払わなければならず、
その負担は本人が亡くなるまで続きます。
例えば、月額報酬5万円の契約だとすると、
対象の方が認知症になってから亡くなるまで
20年経過した場合、合計で1,200万円もの報酬を
法定後見人に支払うことになります。

●では、任意後見人なら?

したがって、認知症になる前に任意後見人を
あらかじめ指定しておくことが重要になります。
任意後見人に親族を指定しておけば、
その親族が財産の管理をできるようになります。

ただ、任意後見人も万能というわけではありません。
前にも述べたように、親族の使い込みを防ぐために
後見人を監督する後見監督人というものが付きます。
後見監督人は、後見人が勝手なことに
お金を使わないように見張る役目を持っています。
ですので、金額の大きい買い物をするとなれば、
事前に後見監督人におうかがいを立てることになります。
また、後見監督人にも報酬の支払いは発生します。

このように、後見制度はとても不便な制度なのです。
少なくとも元気なうちに任意後見人を指定しておく
ということは絶対にやっておくべきでしょう。

今回は以上です。
次回も同様のテーマで、
「家族信託」について触れてみます。

遺言・成年後見・家族信託等、
相続や事業・資産の承継に関する内容は、
資産をお持ちの方にとっては、
他人事ではない問題だと思います。

基本的には家族が健康なうちに
対策を取るのが良いので、
必要であれば、税理士にも相談しましょう。

税理士をお探しの方は、
こちらで是非ご相談ください。

税理士紹介ネットワーク~タックスコンシェルジュ~
https://www.tax-concierge.net/

それでは、また次回宜しくお願い致します。