こんにちは!諜報部長!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。

早くも一月後半ですね。
受験生はついに試験シーズン到来でしょうか?
寒く、病気になりやすい時期ですので、お体ご自愛ください!

さて、今回も前2回に引き続き「2016年多かった税務調査の問合せ
というテーマで報告をしていきます。

<前2回:下記リンク参照>
※2016年多かった税務調査の問合せ~①消費税逃れ2016年多かった税務調査の問合せ~②孫請けがいる下請け業者

弊社では税理士紹介希望の事業主様からお問合せを多数頂いておりますが、
その税理士紹介希望の事業主様の中には、通常の顧問契約等の関与希望ではなく、
税務調査局面でのお問合せをされる方もいらっしゃいます。
今回は、弊社に頂いた税務調査局面でのお問合せの中で、昨年多かったものについてお話をしていきます。

2016年多かった税務調査のお問合せ

■2016年多かった税務調査の問合せ~③貿易関連

それでは前回に引き続き、昨年頂戴した税務調査局面での
お問合せについてお話をしていきます。

前2回と異なるのは、今回は税理士さんがいらっしゃる場合のお問合せです。
税理士さんお付き合いがある場合でのお問合せをされてきた事業主様のケースです。
税理士さんと関与していれば、下記のようなことは発生しにくいのですが、
事業主側の事業内容と、税理士さんの応対経験によっては、
こういったことも起きてしまう場合がある!ということをご理解ください。。。

●貿易関連事業とは?

今回は「貿易関連事業」の方です。
そして、弊社にお問合せを頂いた上記の事業者の方が指摘されている事項は、
すべて「消費税」に関する内容でした。

小中学生の社会の事業で、日本は貿易が盛んであることを学ぶかと思います。
そういった内容では、自動車や機械設備等の大手メーカーが
コンテナを利用して輸出していくものや、
原材料となる食品や資材を輸入する
というような描写があった教科書が多数だと思います。

ただ、現在はインターネットやECサイトの登場により、
そういった大掛かりな輸出入だけでなく、
段ボールのような箱単位で簡単に個人が送ったりすることも
比較的簡単に出来るような時代になりました。

そうなると、輸出入の取引が小規模でも行われることになります。
そして、海外との取引と国内での取引において、最も影響がある事項が消費税です。

非常に簡単な説明なので、あくまで「概念」的な理解に留めて頂きたいのですが、
基本的に日本国内で物やサービスの取引がある場合、消費税が発生します。
ただし、それが国外向けに販売した場合は、消費税は発生しません。
それどころか、その販売に必要となった原価等に関しての消費税も還付を受けることが出来ます。
逆に海外から日本国内において輸入をした場合は、
自らが販売する製品の原価にかかる部分に関しても、消費税を払わなくてはなりません。

具体的には参考サイト等をご覧頂きたいのですが、簡単な説明だと、
輸出事業は消費税免除・還付対象であり、
輸入は消費税を通常よりも支払う可能性が高いということなのです。

※参考サイト:輸出と輸入(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/shou308.htm

●ここで発生する問題!

上記は簡単な説明で留めさせて頂きましたが、
輸出や輸入が関わると、消費税の計算は簡単ではなく、
複雑になってしまう場合も多いです。

かつ、現行の日本の消費税は8%という数字ですから、
売上や原価に関わるものの「8%」となると、
数十万円・数百万円という大きな金額になってしまいやすい数値です。

ただ、こういった消費税の計算や、それの対象となるものや範囲に関しては、
貿易関連の事業者、もっというと、輸出なら輸出、輸入なら輸入関連の
事業者関与経験が無いとなかなかわからないものです。
そして、それは事業者だけでなく、税理士も同じなのです。

上記にある通り、最近では貿易や越境ECを行うことのハードルが
凄く低くなった為、個人事業主の方も、簡単に開始することが出来ます。
それは、全くの別事業を行う法人でも同様で、異業種からの参入も多数あります。

ただ、その異業種を行っている法人の関与税理士さんが、
貿易関連事業者の関与実績があれば問題無いのですが、
全くの未経験の場合、税理士さんにとっても、新しい分野への参入と変わりありません。

●多かった実例

なんとなく察しがついてきていると思いますが、
昨年多かった「貿易関連事業」「消費税」に関する税務調査のお問合せというのは、
税理士さんが関与していたが、事業主・税理士双方の認識違いにより、
「必要以上の消費税還付を受けた」「納付する予定の消費税を納めていない」
という調査のものです。
加えると、その状況下で、
既存の税理士さんの応対に不満を持ったもの」というお問合せでした。

税務調査時の税理士さんの応対に不満を持ったというのは、

  • 税務署の調査官の言いなり
  • まるで自分の責任ではないように言う
  • 認識違いや誤りがあったことを認めない

といったものです。

●注意が必要!!

上記のように、既存の税理士さんに不満を持ったから
税務調査応対に別の税理士さんを使いたい!といっても、
事業主側としては考えなければならないことがあります。

ですが、この「既存税理士と契約中に税務調査が得意な税理士を利用する場合」
に関しては、注意事項が多いので、次回に記載致します。

今回お伝えする注意事項は、
別の事業から貿易事業、つまり輸出・輸入の事業を新規事業として開始する場合、
必ず既存の税理士さんに貿易関連事業者の応対経験を伺った方がいい
、ということです。

経験があれば、その税理士さんとの契約で問題無いでしょうし、
仮に経験が無くても、真っ当な税理士さんであれば、
フォローすることが可能かどうか判断し、
フォローアップが難しければ、ご自身と契約を継続すべきかどうかの話を
して頂けると思います。

●ちなみに・・・

消費税関連の問題が絡みあう貿易事業者は、税務調査対象となることが多い業種ですが、
計算ミス等により、「実際より少ない消費税還付を受けている」、
「実際より多く消費税を納税している」という事業者の場合は、
あまり税務調査にはならないでしょう。

理由としては簡単です。そこに税務調査に入って、
適正な申告をするように促してしまうと「税金の還付」が発生するためです。

本来より多い納税、少ない還付の場合、税務署は気づいても指摘しません。
本来より「少ない納税」、「多い還付」の時が対象なわけです。

さて、今回の報告は以上です。
次回も「2016年多かった税務調査の問合せ」の番外編ということで、
「既存税理士と契約中に税務調査が得意な税理士を利用する場合」に関しての注意事項、
ということでお話をして参ります。

また、次回宜しくお願い致します。