こんにちは!諜報部長!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。

梅雨明け、まだですかね~
ただでさえ気温が高いのに、
湿度まで高いと体に負担が・・・

さて、前回から、
「実際のお問合せから分析する、今の税理士を変更する理由」
というテーマでお話をしておりますが、
今回も引き続き、同様のテーマでお話させて頂きます。

税理士紹介業という業務では、
「税理士さんを探している人」とやり取りし、
最適な税理士さんを見つけるお手伝いをしています。

その際、お問合せを頂く希望内容を大きく分けると、
「新しく税理士さんと契約したい」
「今の税理士さんを変更したい」
という二つに分かれます。

今回は、その中で、
「今の税理士さんを変更したい」
というご希望について、
実際のお問合せを踏まえてお話したいと思います。

税理士を変更する理由

■2例目:個人事業、医科

今回、例にさせて頂くお問合せは、個人開業のお医者さんです。
お問合せを頂いたのは、前回同様確定申告が終了した4月頃で、
場所は近畿地方:O市で事業を行っています。
事業内容は上記の通り、個人開業のお医者さんで、
街中にあるようなクリニックをイメージしてもらえればと思います。
売上に関しては、5,000万円くらいで、
5~6名くらいのスタッフさんと一緒に活動しています。

●お問合せを頂いた背景(個人事業:医科の場合)

最近では医療法人等も増えてはいますが、
税理士さんのような士業と同じく、
街にある診療所・クリニックというのは
個人事業でやられている方が非常に多いです。

事業内容としては、場所や従業員だけでなく、
医療機器の設備も必要ですし、
院長自らが営業するわけにもいかないので、
広告宣伝費も必要という事業の為、
固定費や経費は比較的大きくかかりますが、
売上は非常に安定しやすい事業です。

特にこちらの医院は、元々お父様が医院を開業し、
創業からは20年以上経過という状況で、
地域での知名度も高く、売上は安定しています。
現代表である息子さん(30代後半)に引き継いだのは
3~4年前ですが、順調に医院運営が継続されています。

このような状況ですので、代表者が変更した後も、
取引先やお付き合いをしている先に変更は無く、
通常の取引が継続されていました。

税理士さんに関しても、それに漏れず、
先代と同じ事務所に関与を依頼していました。

ただ、やはり時代が変わっているので、
全てにおいて「今までと同じ」だと、
不満がたまりやすいのも事実です。

お父様世代の方であれば、
電話・FAX・郵送でのやり取りが通常でも
問題無いと思いますが、
現代表である息子さんの年齢からすると、
これにメールが加わらないのは
かなり不便さを感じます。

ただ、現代表としても、「今更〇〇してくれ」
というのも言いだしづらい・・・、
とお考えの中、奥様から現在の税理士さんとの
やりとりに不満があることを告げられました。

こちらの医院では現代表の奥様も受付・事務として
働いており、主に税理士事務所とやりとりするのは
奥様なのですが、ご本人が考えている不満を、
奥様は税理士事務所とやりとりする回数が多い分、
より早くから、そしてより多く思っていたわけです。

メールが出来ない、パソコンで出来る書類を
わざわざ手書きしなきゃいけない、
変更を求めて改善してくれない・・・

奥様の方が、現代表よりも不満は大きく、
普段の業務にかかわる分、切実な問題だった・・・
というのがお問合せをされるまでの背景です。

●なぜ、税理士さんの変更を検討しているのか?

このケースの場合、結論から申し上げますと、
現事務所への不満」が大きな理由ですが、
結局、それのきっかけとなっているのは
代表者交代」です。

中小企業や個人事業にとって、代表者の交代というのは、大きな変化です。
一昔前から、「事業承継」という言葉は
一般的になっていますが、
後継者がいない事業者が廃業せざるをえない等、
大きな問題もあります。

こちらの医院のように、
上手く事業が次の世代にバトンタッチ出来たことは
素晴らしいことなのですが、
新しい問題が出る場合も大いにあります。

それが、取引先との問題です。
取引先も同様に事業承継が進み、
結果として同世代でお付き合いが継続する場合等は
問題なかったりするのですが、
片方は代表者が交代し、もう片方はお父様世代が
まだ現役で頑張っている、となったりすると、
顧客が求める内容についていけなかったり
といったことが起きます。

この医院の場合はまさにそれで、新代表と奥様世代が
求める一般的なこと、
具体的には、メールやインターネット利用、
パソコン利用等は、新代表や奥様にとっては
当たり前のこと、そして手間や時間を省略するのに
有効な道具としての認識がありますが、
現事務所(現税理士)にとっては、
そのような新しいことが苦手で、
出来る限り昔のやり方で通そうとする、
こういった所に不満が発生しやすい土台があります。

内容としては些細なことかもしれませんし、
現代表も奥様からのご不満を聞かなければ、
実際に動かなかったかもしれませんが、
そういったきっかけがあった時に、
行動に至ってしまう根底の不満があった、
というのが今回の事例です。

こういったお客様の場合は、
業界への関与・応対経験だけでなく、
現代表と年齢も近く、インターネットやメール利用に
抵抗が無い税理士さんを紹介することが多いです。

●不満があれば言えばいいのに・・・

「不満があるなら言えばいい」
はっきり言ってその通りです。

今回の事例は根底にあることは、
些細な不便さの積み重ねでしかありません。

現代表が税理士さんに切実にお願いをしたり、
税理士さんが医院側でお考えの不満を解消するために
お話をしたり、といったことがあれば、
解決できたかもしれません。

ただし、ここも事業承継の難しい問題なのです。
自分の父親がお世話になっていた取引先さんと
継続して付き合っている場合、
父親と同年齢の相手に対して、不満を言ったり、
改善を要求したりということを
実際に行動に起こすのは結構大変なことですし、
ストレスのかかる事象です。

そんなに割り切ってズバズバ言える人というのは、
そうそういらっしゃいません

本来であれば、税理士さん側が
お客様の「不満の種」に目を配って頂き、
早い段階でそれを摘み取ることが出来るのが
理想ではありますが・・・。
そうはならないことの方が圧倒的に多いと思います。

不満を抱いているお客様が実際にそれを口に出されるときというのは、
得てして「もう腹は決まっている」という状態です。

税理士紹介という業務を通じて、
色んなことを知ることが出来ますが、
このような「不満の種」の解消は
どんな仕事でも重要なことですので、
毎度、身の引き締まる思いをするのが、
こういったお問合せ内容です。

さて、それでは、今回の報告は以上です。
次回は、「実際のお問合せから分析する、今の税理士を変更する理由」
の3つ目について、報告致します。
また、次回宜しくお願い致します。