お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。

さて、今回のテーマは、
「2019年の日本経済振り返り
についてです。
しっかりチェックしておきましょう!

2019年はどうだった? 日本経済を振り返る

■2019年はどうだった? 日本経済を振り返る

2019年は新天皇陛下のご即位で
大きなお祝い事があった一方で、
大規模な自然災害で多くの被害が出てしまいました。

また、経済面では特に注目をされていたのが
10月に実施された消費増税10%。
というような比較的大きなイベントが多かった2019年。

日本の景気は一体どうだったのかでしょうか?
2019年の景気・株価を振り返りながら、
メディアで活躍する識者たちが語った予見を振り返り、
独断と偏見で評価してみたいと思います。

●2019年の経済を振り返る

2019年の経済を振り返ると、
国内は「消費税」、
国外は「貿易戦争」が大きな関心事でした。

消費増税については、
「景気悪化している中で本当に実施するのか?」
という懸念もあり、年初から紆余曲折ありましたが、
軽減税率の導入や様々な経済対策を併せて実施することで
マイナス影響を抑えられるという判断の下で
予定通り実施されることが決まりました。

その一方で、国外では様々な貿易戦争が勃発。
2018年から始まった米中貿易戦争は2019年も拡大が続き、
中国からのほぼ全ての輸入品が追加関税の対象になり、
加えてファーウェイ等の通信機器メーカーの締め出しなど
中国企業・団体への圧力も日々高まっていきました。
その結果、中国経済は急速に冷え込み、
世界的に中国への輸出減少傾向が見られました。

また、日韓間でも貿易紛争が勃発し、
韓国国内で日本製品の不買運動が発生し
進出している企業などが影響を受けました。

国内・国外ともに問題は継続しており、
今後も日本経済への悪影響が懸念されます。

そうした状況の中で、
昨年の日本の景気がどうだったかを
確認してみましょう。

主な経済指標は次の通り。

2017年11月 2018年10月 2019年10月 結果(前年比)
実質GDP成長率
(年率換算)
2.5%
(7-9月期)
-2.5%
(7-9月期)
0.4%
(7-9月期)
2.9pt ⇧
名目GDP 549兆円 546.7兆円 559.2兆円 2.3% ⇧
日経平均株価 22,764.94
(12/29)
20,014.77
(12/28)
23,656.62
(12/30)
18.1% ⇧
消費支出
(実質、前年同月比)
1.7% -0.3% -5.1% 4.8pt ⇩
勤労者世帯の実収入
(実質、前年同月比)
443,186円 515,729円 ※1 536,075円※1 0.5% ⇩※2
完全失業率 2.7% 2.5% 2.4% 0.1pt ⇩
有効求人倍率 1.56倍 1.62倍 1.57倍 0.05pt ⇩
就業者数 6581万人 6725万人 6787万人 62万人 ⇧
消費者物価指数
(生鮮食品・エネルギーを除く総合。前年同月比)
0.0%
(11月)
0.3%
(11月)
0.8%
(11月)
0.5% ⇧
円相場
(対ドル)
113.00円
(12/31)
109.64円
(12/31)
108.69円
(12/31)
0.95円 ⇩
長期金利
(10年国債)
0.047%
(12/29)
-0.010%
(12/28)
-0.022%
(12/30)
0.012pt ⇩
人口
(12月、概算値)
1億2670万人 1億2642万人 1億2614万人 0.24%⇩

出所:内閣府、財務省、総務省、厚生労働省他

※1:2018年1月より調査方法が変更されたため前年と比べ数値が変動。
※2:調査方法の変更の影響による変動を調整した推計での前年同月比。

全体を俯瞰してみると、昨年の全般的な景気後退から持ち直し、
名目GDPは過去最高を更新しました。
そうしたこともあり、日経平均株価は年末終値として
1990年以来、29年ぶりの高値をつけています。

この傾向は世界的なもので、
世界の株式時価総額は86兆ドル(約9,400兆円)と
過去最大に膨らんでいます。

こうした背景には、米中貿易戦争の懸念から
世界的な利下げ・通貨安競争が勃発、
世界的な緩和マネーが株式やリスク資産に向かった結果、
資産価格が上昇する傾向が顕著化したことがあります。

日本のGDPや株価の上昇は、
こうした世界的なカネ余り傾向が
日本経済にも影響を及ぼした結果だと言えそうです。

その一方で、実体経済は世界的に減速傾向にあり、
国内でも直近の景気動向指数は消費増税の影響をモロに受けて、
前回の消費増税(5%→8%)の悪化幅を上回る
8年7カ月ぶりの大きなものとなり、
その傾向が「消費支出」に顕著に表れています。

加えて、勤労者世帯の実収入も直近3ヶ月で減少傾向にあり、
消費者物価指数の上昇も相まって
国民の生活が苦しくなりつつあることが分かります。

このように、2019年は見かけのGDPや株価が好調を見せる反面、
実体経済や国民の生活はより苦しくなった年だったと言えるでしょう。

では、このような結果を予想していた識者たちはいたのでしょうか?

●2019年の景気を予想していた識者は?

19年の年初に日本の景気を識者たちが
どのように予見しているかをまとめました。

その時の記事はコチラ。
※2019年日本の景気・株価はどうなる?
https://www.y-chohobu.com/archives/4816

皆さんとも文章表現且つ網羅的に捉えているわけではなく
客観的に評価するのは難しいので、
私が独断と偏見で評価したいと思います。

年初の記事と比較しながらご覧ください。

識者名(敬称略) 独断評価 独断評点
嘉悦大学教授
高橋洋一
消費増税に着目し景気後退を予見していたが、言及していた株価低迷は真逆の結果となってしまった。 20
京都大学大学院教授
藤井聡
リーマンショック級の4つのリスクについて言及していたが消費増税以外は2019年には起きなかった。 20
経世論研究所所長
三橋貴明
消費増税の影響を懸念し、GDPや実質賃金の低下を予見。
実質賃金は低下したが、GDPは逆に拡大した。
30
経済ジャーナリスト
須田信一郎
「景気はあまり期待できない」としていた点は間違っていないが、その他の言及がなかったため、評点出来ず。
エコノミスト
森永卓郎
毎年破天荒な予見をされる森永氏。景気後退・株価・消費増税などに言及。確かに世界的な景気後退傾向となっているが、株価は上昇、消費増税は予定通り実施。残念ながら今年もハズレでした。 10
武者リサーチ代表
武者陵司
楽観的な株価評価や消費増税の影響は限定的でむしろ駆け込み需要などで景気押し上げを予見。株価上昇の理由は違うが間違っていないが消費増税のマイナス影響は大きく、ハズレと判断。 30
大和証券
野間口毅
米国企業業績の悪化、日経平均2.6万円を予見。実際は米国企業業績は堅調、株価はそこまであがっていない。ほとんどの面でハズレと言ってよさそう。 0

ほとんどの方が消費増税の影響を懸念し、
GDP低下・景気後退を指摘していましたが、
世界的な利下げ・通貨安競争を指摘している方はおらず、
結果的にGDPや株価を言い当てる人はいませんでした。
そのため、ほとんどの方の予見がハズレとなってしまったようです。

ということで、今年は「全員ハズレ」という結果でした。

以上、いかがでしたでしょうか。

消費増税や貿易戦争が懸念された2019年でしたが、
結果は多くの識者の予想に反してGDP・株価ともに上昇しました。
やはり、米中貿易戦争を発端として
世界的な利下げ・通貨安競争に陥るとは思っていなかったようです。

一方で、実体経済は悪化傾向にあり、
消費増税の影響を受けて庶民の暮らしは厳しくなってきています。

2020年を考えると、
前々回の記事で触れた税制改正に見られるように、
大企業や富裕層により優遇される傾向にあることから、
GDPや株価は引き続き拡大する傾向なのかもしれません。

ですが、「現在の資産市場はバブルだ」と指摘も一部であり、
実体経済との乖離が今後の懸念材料になることは
間違いなさそうです。

そういった意味では、2020年は世界的な利下げ・通貨安競争が
いつ転換するのかが重要なカギを握っている
と言えるのかもしれません。