こんにちは!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。

さて、今回からのテーマは、
「税務調査」ということで
まとめていきたいと思います。

そして、「税務調査」に関する内容でも、
「個人事業主への税務調査」
についてお話していきます。

今週からは確定申告期が
スタートしましたが、
こちらの内容をご覧頂ければ、
恐らく、確定申告をサボらない
ことになるのでは?と思います。

個人事業主に税務調査は来ないのか?

■個人事業主に税務調査は来ないのか?-①大前提

先ほども触れましたが、
2月も半ばを過ぎ、確定申告の時期が
到来しています。

毎年2,000万人以上が実施しているので、
かなり国民的な行事の一つですし、
大抵の方は申告・納税をきちんと
行っていると思いますが、
ある一部の方たちは、

  • 税金が高くなるから売上減らそう
  • 利益減らす為に実際より経費を増やそう
  • よくわかんないから申告しない
  • 去年も申告してないし、別にいいや

等々、適正な申告を行わない、
もしくは、申告そのものを行っていない、
という方たちも残念ながら存在します。

国内では「申告納税制度」という
いわば自己申告の制度である為、
こういったことになってしまうのかもしれません。

ただし、自己申告の制度だからこそ、
その申告内容の確からしさ、
そして不正を防止するために、
それをチェックする「税務調査」が存在する
というわけです。

正直、この税務調査に対しての理解があれば、
誤りやミスを除いて、

  • 申告を怠る
  • 適正ではない内容で申告・納税する

ということのリスクの大きさを
認識できると思いますので、
今回からは「税務調査」の話、
中でも、甘く考えられがちな
「個人事業主の税務調査」
の話について、触れていきます。

●個人事業主に税務調査は来ない?の噂

弊社は税理士紹介サービスの事業者なので、

「税務署から連絡が来た!」

という税務調査タイミングで、
税理士をご希望される方のご相談も頂きます。

そのご相談者の中には個人事業主様も多いのですが、
割と多くお話される内容は、

「税務調査は法人だけでしょ?」

「うちは小さいから調査が入らないと思っていた」

という内容です。

要は、

「個人事業主だから税務調査が来ない」

と思っていたという話です。

これ、本当に誰が話をしたのか
全く謎ですし、出所もわからないのですが、
結論から申し上げますと、

「個人事業主にも税務調査は入る」

これが事実です。

相続税関連は申告対象者自体が
個人なのでそれは当然として、
個人事業主、
つまり、フリーランス、自営業、
こういった方たちにも
税務調査は毎年入っています。

先ほど触れた通り、毎年弊社にも

「今まで税理士と関与していなかったけど、
税務調査のタイミングから何とか依頼できないか?」

という個人事業主様からのご相談を頂きます。

なので、

「個人事業主だから税務調査が来ない」

これは、完全に噂です。
事実ではありません。

「個人事業主でも税務調査の対象」

これが事実です。

●個人事業主への税務調査の実態

個人事業主でも税務調査はある、
というのは前段で触れた通り事実ですが、
割合が少ないのも事実です。

国税庁では、毎年税務調査の実施状況や、
年度ごとの現状と課題をまとめています。

<参考資料>
※国税庁:平成28事務年度 所得税及び消費税調査等の状況
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2017/shotoku_shohi/sanko01.htm
平成28事務年度⇒平成28年7月~29年6月末

※国税庁:税務行政の現状と課題(平成30年発表)
https://www.nta.go.jp/about/council/shingikai/180124/shiryo/pdf/04-1.pdf

こちらの資料から個人事業主への
税務調査状況をまとめると、以下のようになります。

【平成28事務年度:実調率】
確定申告件数 納税有の確定申告件数 調査対象件数(消費税調査込) 実調率
約2,169万件 約911万件 約10.7万件 約1.1%

※実調率・・・実際に税務調査が行われた割合で、
「調査件数÷納税有の確定申告件数」で求める。

【平成28事務年度:非違件数割合】
調査対象件数 非違件数 非違の割合
106,877件 87,993件 約82.3%

※非違・・・申告漏れや誤りを指摘されたもの

実際にこのまとめを見て頂ければ
お分かりになると思いますが、
確定申告件数が2,100万件以上なのに対し、
税務調査の対象件数は
10万件を少し超える程度です。

なので、

「個人事業主に税務調査が来ない」

は事実ではありませんが、

「個人事業主に税務調査は殆ど来ない」

これは事実でしょう。

ただし、注目すべきは
調査実施後の非違割合です。
非違、つまり間違い等を指摘されることですが、
間違いや誤りを指摘された場合、
当然ですが、過去の申告内容を
修正することになります。

そして、この場合の修正に関しては、
100%税額が増える指摘です。
非違の対象となると、何かしら追加の税金、
追徴課税が発生することになります。
※税が還付される指摘を税務署は行いません。

ですので、個人事業主に対しての
税務調査の認識としては、

「個人事業主に税務調査は殆ど来ない」

のですが、

「税務調査になったらほぼ追徴課税」

ということを認識しておくべきでしょう。

●さらにもっと突っ込んだ話

個人事業主で税務調査の対象となった場合、
かなりの確率で追徴課税が発生する、
というのは事実なのですが、
ここで考えて頂きたいことがあります。

非違件数の割合、80%超
という内容についてです。

この数字、高すぎると思いませんか?
ランダムに税務調査を実施して、
この数字になると思いますか?

実際、なる訳がありません。
参考資料として提示した
国税庁のレポートの中にも、
「効果的・効率的な事務運営に向けた取組」
という記載がある通り、
特に何の意図も無く対象企業を選抜して、

「申告内容問題無し!」

ということをしているほど、
税務署側は人手が余ってはいないのです。

税務署側が個人事業者の中で
税務調査対象とするのは、

  • 無申告
  • 申告内容に誤りがあることが濃厚
  • 不正が行われている可能性が高い

こういった所に対して優先的に調査に行くので、
非違件数の割合が80%超という結果なのです。

つまり、真面目に適正に申告・納税を
している個人事業主にとっては、
税務調査はあまり縁の無いものですが、

  • 税金が高くなるから売上減らそう
  • 利益減らす為に実際より経費を増やそう
  • よくわかんないから申告しない
  • 去年も申告してないし、別にいいや

こういう人達は税務調査の対象になっていくのです。

個人事業主に税務調査は来ないのか?-①大前提

●ちなみに(税務調査ではなく「簡易な接触」)

最後に、税務調査ではありませんが、

「簡易な接触」

という内容に分けられる
税務署の行動があります。

これは、金額内容や状況的に
税務調査(事業者への現地調査)を行うほどではないが、
間違いがあるかどうか等をちょっと確認したい、
という申告者が対象になるものです。
書面等で税務署から連絡があります。

こちらに関しては、所得税・消費税込で、
平成28事務年度は約62万件が対象ですので、
税務調査と比較すると5~6倍対象者が増えます。

そして、この簡易な接触に関しても、
約62万件のうち、約6割の37万件以上が
非違対象となっています。

税務調査同様、簡易な接触に関しても、
対象となるのは、非違が認められそう、
という納税者が対象なので、
これだけ高い割合ということです。

さて、今回の報告は以上です。
次回も同じテーマ、
「個人事業主に税務調査は来ないのか?」
で報告したいと思います。

最後に、個人事業主でも税務調査の対象になり得る、
ということはご理解頂けたと思いますが、
結局、真面目に確定申告をやっていない、
申告を怠っているという人が
対象となっていくわけです。

税務調査の対象にはなりたくない、
でも、確定申告や会計等は諸々面倒、
わからない!!という方に関しては、
悪いことは言わないので
税理士に依頼すべきです。

税理士に依頼すると費用は発生しますが、
自営業の方であれば、税理士への報酬も経費です。

そして、税務調査で指摘を受けて
追徴課税を納めることになるよりは、
税理士に頼んで適切な節税助言を貰う方が、
金額的にも得をすることになると思います。

税理士に依頼をする場合は、
知人に税理士がいたり、
税理士に頼んでいる同業者から
紹介してもらえたり、
という事であれば問題無いですが、
心当たりがないようでしたら、
是非こちらにご相談ください。

税理士紹介ネットワーク~タックスコンシェルジュ~
https://www.tax-concierge.net/

また、次回宜しくお願い致します。