お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。

さて、今回のテーマは
「消費増税の理由づけ」についてです。
しっかりチェックしておきましょう!

消費増税「将来世代にツケを回さない」は本当なのか?

■消費増税「将来世代にツケを回さない」は本当なのか?

消費増税に向けて着々と準備が進んでいます。
「将来世代にツケを回さないためにしょうがない」
とお考えの人も多いのではないでしょうか?

ですが、ちょっと待ってください。
消費増税は本当に
「将来世代へツケをまわさないため」
の策なのでしょうか?

まとめてみます。

●「将来世代にツケを回さない」はホントなのか?

消費増税に賛成の人は、
「将来世代にツケを回さないためにはしょうがない」
と言います。
増税を熱望する財務省も
「借金が年々増加し、
将来世代に大きな負担を残すことになります。」
と明言しています。

でも、これは本当なのでしょうか?

2つの視点から考えてみましょう。

【論点1】 消費増税は、将来世代にツケを回さないのか?

消費増税によって
「将来世代にツケを回さない」という考え方は、
おそらく「国の借金」をツケと捉えて、
それを減らすことが将来世代への負担軽減になる
という発想から来ているものと思います。

確かに、将来世代へツケを回したくない
と考える人は多いでしょうし、
子供や孫のいる方はなおさらでしょう。

では、次のグラフを見てください。

年代別生涯消費税支払額

これは生まれた年代別の
一生涯に支払う消費税総額の推計です。

年代別の可処分所得を考慮して、
現段階で予定されている消費税10%までを
生涯にわたって支払った場合の試算です。

1950年代生まれの方は、
生涯の消費税納税額は1,130万円ですが、
2010年代生まれは2,230万円と
倍増していることがわかります。

つまり、消費税の生涯負担は、
将来世代ほど重くなる
のです。

消費税の導入は、1989年に3%で導入され
徐々に税率が上がってきた経緯があります。
ですが、導入当初の3%と
今後予定されている10%では
3倍以上の差があるわけです。

これを生涯にわたって
負担する期間を考えれば、
世代間でこれだけの差が出ることは
容易に想像できるのではないでしょうか。

さらに付け加えるなら、
消費税10%は現段階で予定されているものですが、
今後さらに引き上がる可能性も含んでいます。

つまり、世代間格差はこれ以上になることが考えられ、
さらに将来世代へ負担を強いる
ことになるわけです。

また、社会保障についても確認しておきましょう。

消費税同様に、社会保障と受益の関係も
世代間で大きな差があります。

こちらを見てください。

年金・医療・介護全体における生涯純受給率

年金・医療・介護全体における生涯純受給率

これは、厚生労働省による分析で、
社会保障全般における生涯受給率を示したものです。

1950年代生まれは、
1.0%の受益超過でプラスですが、
それ以降の年代はマイナスに転落し、
年代を追うごとにマイナスの超過率が増えています。

このように、社会保障全体においても
将来世代の負担が大きい
のです。
社会保障の負担に加え、
さらに消費増税の負担を上乗せ
してしまっては
将来世代への負担は甚大なものになるでしょう。

とは言え、これについては
多くの方がご存じだったと思いますし、
新しく始まる増税は、
現役世代よりも将来世代の方に
負担が多くなるのは考えればわかることです。

では、なぜ「消費税が将来世代のツケを回さない」
と勘違いしていたのでしょうか?

例えば、このようなフレーズを聞いたことないでしょうか?

消費税は、国民全員に負担を求めるから公平な制度だ

確かに一見すると
「誰もが払う制度だから公平だ」
と思ってしまいますが、
将来世代へも負担を回す制度であることを
忘れていないでしょうか?

消費税は、これまで大人たちが払っていた税金を
子供や孫の世代にも負担を回す制度
だということです。

赤ちゃんの粉ミルクから
子供たちが買う駄菓子などのお小遣いにも
負担を強いるわけです。

そのような誰でも構わず課税する税制は、
消費税だけです。

見方によっては、
古代ローマや中世ヨーロッパの
暗黒時代を象徴する「人頭税」のように
国民1人あたりに課税する
悪制であるとも言えるかもしれません。

このように、消費増税にまつわる話は、
感情に訴えかけるフレーズで
真逆に誘導
しようとするケースが多くみられます。

次の「国の借金は将来世代へのツケ」
という考え方も見てみましょう。

【論点2】 「国の借金は将来世代へのツケ」なのか?

「将来世代へツケを回さない」
というフレーズの裏には、
国の借金が膨大に膨らんでいて、
それが将来世代へのツケになる
と言う意味が含まれています。

つまり、
国の借金が将来世代へのツケ
だと言うわけです。

もう少し意味を分解して考えてみると、
国の借金は国民の借金で、
それが積みあがっているために
将来にわたって返し続けなくてはならない
と捉えることができそうです。

ですが、これもよく考えればおかしな話なのです。
前回記事でまとめましたが、
国の借金は誰が貸しているか?」と言うお話です。

結論を言ってしまえば、
国の借金は国民が貸しています
正確には、国の借金とは政府の借金で、
政府が発行する国債を
銀行や保険会社などが引き受けている
わけです。

銀行や保険会社は
国民の預金や保険金などで運用し、
国民は運用の結果を
利息や保険金を得ている
わけです。

もちろん、
個人向け国債などを持たれている方は、
直接貸していますから、
「貸している」という感覚は
よくわかると思います。

その上で、先ほどの意味を
もう一度考えてみましょう。

国の借金が国民の借金だとするならば、
国民が貸したお金が国民の借金になる
というおかしな話になっていることがわかると思います。

この理屈がどのように作られたのかを考える
と理解できると思います。

国の借金が積みあがっているのは事実で、
毎年支払う利息も徐々に増えてきています。

そこで、財務省は考えました。
「これ以上、国民から借金を借りるのはやめよう。
国民から税金で取れば元本も利息も
払わなくて済むじゃないか!」

つまり、国民から借りるのでなく、
徴税すれば丸儲け
だというわけです。

そこで、どのように国民を説得するかを考えました。
そこで生まれたのが
「将来世代へのツケ」と言う言い回しです。

実際は、政府の借金を
国民の借金へと錯覚させる
ものですが、
将来世代の負担が重くなると言えば
感情に流される人もでる
と考えたわけです。

もちろん自分たちの給与は引き上げ、
天下り先の予算なども
しっかり確保したことは決して言いません。

そして、将来世代へのツケの話を
国民へ広く浸透させることにしました。

幸い、財務省が新聞各社を取りまとめる
記者クラブ「財政研究会」がありますから、
「軽減税率導入のために協力しろ」
と暗に圧力をかけることで
マスコミを使って国民に周知することができたのです。

・・・とまぁ、最後の方は憶測ですが、
国民から借金するのはやめて直接もらっちゃおう
という理屈であったのは間違いありません。

このように、国の借金が
将来世代へのツケであるかのように
言われていますが、実際はその真逆です。

つまり、
国の借金は、国民の貸付金(=資産)」であり、
国の借金返済のために
国民から増税で巻き上げよう
という暴挙が消費増税
なのです。

以上、いかがでしたでしょうか。

消費増税の間違った認識から
解き放たれたのではないでしょうか。

新聞・テレビを見ていると、
消費増税がまるで国民にとって、
将来世代にとって、
良いことのように言われていますが、
実際は全く違うことが理解できたと思います。

「国の借金」とか
「将来世代へのツケ」と言った
抽象的で感情に訴えかけるフレーズに騙されずに、
冷静に正しい判断ができるように心がけたいですね。

ということで、今からでも、
2019年の10月増税は反対です。