諜報部長!お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。

さて、今回のテーマは
「スマートフォンの契約」についてです。
しっかりチェックしておきましょう!

スマホ4年縛りが違法の恐れ!? どゆこと?

多くの人が利用しているスマートフォン(スマホ)。
スマホ利用者数は、6000万人を突破し、
なくてはならないものとなっています。

ですが、その利用料金は高く、
平均月額は9000円を超え、
年々増加しているという調査結果もあるようです。
そんな中で、スマホの4年契約が違法の恐れがある
との見解を公正取引委員会が示すようです。
一体何が起きているのか、まとめてみます。

●スマホ4年契約が違法!?

まずは、ニュースからです。

───────────────────────────────────

スマホ4年縛り「違法の恐れ」…利用者囲い込み
YOMIURI ONLINE 2018年06月22日 07時19分
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20180622-OYT1T50005.html

スマートフォンを4年間の分割払いで販売する
「4年縛り」と呼ばれる販売プランについて、
公正取引委員会が近く、独占禁止法などに違反する恐れがある
との見解を示すことがわかった。

一度加入すると他の携帯会社に乗り換えるのが難しく、
利用者を不当に囲い込んでいる恐れがあると判断した。
同プランを提供する携帯大手は見直しを迫られる可能性がある。

近く携帯電話市場に関する調査報告書を公表し、
携帯大手に是正を促す。

「4年縛り」によるスマホ販売は、
KDDI(au)とソフトバンクが米アップルのiPhone(アイフォーン)などを
対象に行っている。スマホを4年間の分割払いにして、
購入から約2年後に新機種に買い替え、
同じプランに再加入するなどの条件を満たせば、
スマホを実質半額で買える仕組みだ。
ただ、プランに再加入しない場合などは、割引が適用されず、
スマホ代の残金を支払う必要がある。
再加入した後も、2年ごとに同様の問題が起きるため、
利用者は実質的に乗り換えが難しくなる。

───────────────────────────────────

※「4年縛り」とは、
auの「アップグレードプログラムEX」や
ソフトバンクの「半額サポート」などのこと。

参考)
auアップグレードプログラムEX/EX(a)
https://www.au.com/mobile/upgrade-program-ex/

SoftBank 半額サポート
https://www.softbank.jp/mobile/special/hangaku-support/

これらの契約形態は、
契約時に端末代金を4年契約の分割払いにし、
2年後に機種変更すれば
最初の端末の割賦残債を免除するというものです。

そのため、この残債免除を利用して、
2年丁度のタイミングで機種変更すれば
実質的に端末代金が半額になることになるため、
広告などでは「最大半額」などと謳われています。

ですが、これにはデメリットがあり、
機種変更せずに4年使い続けるとメリットがないことや、
途中解約や他社への乗り換えを行うと
残債を含め高額の支払いが請求される可能性があります。

今回、公正取引委員会がこうした契約が
独禁法に違反するとの見解を示すという状況のようです。

●他の契約は問題ないのか?



今回、ニュースとして伝えられたものは、
「4年縛り」となる契約だけですが、
他の契約も似たような仕組みになっているのではないでしょうか。

総務省の「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」によれば、
最も一般的に結ばれている2年契約
についても問題があると指摘しています。

ちなみに、公正取引委員会の資料によれば、
約90%のユーザーが2年契約になっているとのこと。

各MNO(移動体通信事業者)の契約形態を図で示すと次のようになります。

※モバイル市場の公正競争促進に関する検討会報告書(案)より

2年間の期間拘束のある契約を結ぶと、
契約満了となる月に解約しないと
違約金が発生することになります。

また、2年解約は自動更新されるものとなっているため、
契約者が他社に乗り換えようと思ったタイミングが
満了月でない可能性が高く、ハードルとなっているとしています。

特にポイントとなるのは、
ドコモとKDDI・ソフトバンクとの違いです。

ドコモの2年契約では2年満了すると、
以後「拘束期間のない契約」に切り替えても
料金は変わらず利用できます。

しかし、KDDI・ソフトバンクでは、
「拘束期間なし」に切替えると
利用料金が高くなってしまうわけです。

こうした状況に、
検討会では「違約金の廃止」等を求めているようです。

ちなみに、当のMNO3社の見解は、
「2年契約の自動更新の仕組みは、
2年間の継続利用を前提に
割安な料金でサービスを提供するプランで、
更新を忘れて料金が高くなることを防ぐ
ことなどのために設けている」とのことです。

●今後どうなるのか?

今回、公正取引委員会が
「4年縛り」について見解を示すとしていますが、
今後どうなるのでしょうか?

公正取引委員会はMNOの契約形態について
かなり前から継続して検討を進めてきています。

そこでは、「4年縛り」ではなく、
主流の契約形態である「2年縛り」を問題視していました。

※公正取引委員会
(平成28年8月2日)携帯電話市場における競争政策上の課題について(概要)
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/aug/160802.html

ここでは、MNOが提供する2年契約プランについては、
「競争政策の観点から望ましくなく、解約料の徴収廃止、
または金額を低く抑えること」等を求めています。

「2年縛り」は以前健在という中で、
今回「4年縛り」についてのみ言及しているのには
何か組織的な思惑があるのかもしれません。

覚えている方も多いと思いますが、
いわゆる「0円端末」を廃止させたのも
公正取引委員会でした。

実は、0円端末を廃止した結果、
利用者からは「端末の価格が上がって負担が増した」
との指摘もあり、何かと批判を受けていたのです。

そうした経緯から、公正取引委員会も
今回はかなり慎重になっているのではないでしょうか。

いずれにしても、まずはどのような見解が
出てくるかに注目したいところです。

以上、いかがでしょうか。

利用者としては、どんな形でも
料金が安くなることは大歓迎ですし、
いろいろとやってもらいたいところではないでしょうか。

特に格安スマホといった形で売り出している
MVNOも頑張っているようですが、
MNOは未だにSIMロックをしたままですし、
問題の2年契約も健在ということもあってか
切換えはなかなか進んでいないようです。

また、社会インフラとも言える巨大市場ですから、
少しの政策変化が巨額を動かすことになります。
見えないところで利権をめぐって激しい攻防があるのかもしれません。

そう考えると、今回の公正取引委員会の動きが
何か裏があるような気がしてなりません。。

さて、今回は以上です。
次回も宜しくお願い致します。