こんにちは!諜報部長!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。

今回も引き続き
「規模に応じた税理士との付き合い方」
というテーマで報告をしていきます。

<前④回:下記リンク参照>
※規模に応じた税理士との付き合い方-①個人事業(売上1,000万円未満)規模に応じた税理士との付き合い方-②個人事業(売上1,000万円超)
規模に応じた税理士との付き合い方-③法人(売上1,000万円超)
規模に応じた税理士との付き合い方-④法人(売上3,000万円超)

税理士と長く付き合い、相互に信頼感が
おける関係となっている人にとっては、
税理士と契約する意味・メリットは、
言わずもがな・・・だと思いますが、
税理士との関与が未経験の方にとっては、
「税理士は契約しないとダメなの?」
「安い記帳代行のサービスと何が違うの?」
とお考えになる方もいらっしゃるかと思います。

ということで、このテーマでは、
個人・法人という形態の違い、
また、売上規模に応じて変わる
税理士のサービス・付き合い方について
お話を進めていきたいと思います。




■規模に応じた税理士との付き合い方-⑤法人(売上1億円超)

前回は「法人で年商3,000万円超」という方、
具体的には3,000~1億円未満の規模の場合、
という想定でお話を致しました。

この規模になると、家族や創業者以外の
従業員も雇っている状況も珍しくないのですが、
会社の状況は、成長段階なのか、昔から現状維持なのか、
衰退状況にあるか等、諸々のケースが含まれます。

そのため、この規模の会社になると、
税理士さんに求めるものは、記帳や申告だけでなく、
将来を見据えた判断を事業主が行う為の材料として、
資金繰りや節税の助言を希望するケースが増えてくる、
というお話をしました。

今回は、さらに大きな段階ということで、
「法人で年商1億円超」
のお客様の場合のお話です。

●この規模の企業とは?

1億円超となると、もはや完全に会社です。
IT関連のような原価のかからない事業なら、
既に10名以上の従業員がいて、
各部門での責任者を配置するような、
組織形態が出来ているかもしれません。

業績がどんどん伸びていて、
毎年増収増益を繰り返す状況であれば、
株式公開を検討し始めたり、
新卒採用も始めたりといったことも
起きているかもしれません。

代表者の仕事も現場や作業だけでなく、
「経営者」としての判断を求められる
ものが増えてきている状況だと思います。

ただ、前回も申し上げた通り、
規模が大きくなっても、
根本的に代表者の考えること・悩み事は、
「営業・人材・資金」が中心です。

今までと異なるのは、この3つの内容の
規模が大きくなったり、課題発生までが速くなったり、
という事だと思います。

その分、税理士の助言・意見を求めるケースも
格段に増えてくるのが実情
です。

●更に多様化する税理士との付き合い

税理士の力を多く求めるようになるのが実情、
と言ったものの、どのように求めるかは、
会社によって大きく変わります。

今までの報告でも毎回多様だと言っていますが、
この規模は本当に大きく変わります。

前回までは、恐らく出てくるであろう要望を
ピックアップしてお話していましたが、
今回に関しては、モデルケースを基に、
お話をしてきたいと思います。

【モデルケース①:今までの延長線にある付き合い】

これは、シンプルな顧問契約です。
月々の顧問報酬+決算・年末調整等々の
契約形態でお付き合いをするパターンです。
多くの人にとってイメージしやすい
税理士との契約形態だと思います。

恐らく、税理士さんとの窓口は今まで同様、
代表者やそれに準ずる役員がやり取りを
行っているでしょう。

前回にも記載した、資金繰り・節税と、
将来への投資を考慮しながら、
代表者が判断をしていくための
サポートを税理士が行っていく、
という付き合い方です。

代表者側は、次回の納税時期や納税想定額を
税理士に聞いて資金を算段していったり、
税理士側も節目で、代表者の判断が必要になる
内容に対して意見していく、というやり取りが
繰り返されていくと思います。

また、このケースの企業では
専属の経理や人事労務担当社員が
在籍していない場合も多いです。
そうなると、記帳代行・給与計算等、
多くの事務作業を税理士に依頼している、
という場合も考えられます。

【モデルケース②:窓口が担当社員の場合】

このケースは、契約形態としては、
モデルケース①の内容と大きく変わらない
かもしれませんが、税理士と企業の付き合い方は
大きく変わります。

税理士と普段やり取りするのが、
代表者や役員から、経理部長や
経理担当社員等に変わった場合、
税理士事務所側は、大抵のケースで
記帳代行等の事務作業は依頼されなくなります。
まあ、自社で経理の人がいるので、
当然ではあるのですが。。。

その分、恐らく増加するのが、
担当者から税理士への「質問・相談」です。

税理士との窓口まで代表者ではなくなっている
企業はある程度の規模が想定されます。
その分、部署や部門も分かれていて、
各社員の業務が明確になっています。

サラリーマンの経験があればお分かり頂けると
思うのですが、営業なら営業、企画なら企画、
そして経理なら経理、ということで、
代表者や部門長への報告が必要になります。

当然、経理は取りまとめた会社の数字を
代表者に報告しなくてはなりませんので、
その内容に関して、代表者から聞かれるであろう
ポイントについて、自分でも理解しておく
必要があるわけです。

その結果、報告する内容を確認するため、
提案内容の選択肢を広げるため、
経理の担当者は代表者に報告する前に、
税理士とやり取りを行うようになる、
ということです。

非常に重要な判断が求められる場合は、
代表者への報告や説明を行う場合に、
経理担当者が税理士の同席をお願いする、
という事もある状況です。

税理士と代表者の直接のやり取りが、
今までのケースでは通常でしたが、
このケースではイレギュラーとなるわけです。

【モデルケース③:社内に入ってもらう場合】

これは更に大きい企業の場合です。
実態としては、年商は数億円以上の
企業において起こりうる状況です。

これは、税理士に対して
「自社で勤めてほしい」に近い要望です。

企業規模が大きくなると、上記にもある通り、
「営業・人材・資金」の課題や悩み事が
大きな規模で、且つ速いサイクルで
発生することが考えられます。

となると、月1回とかの訪問頻度や、
都度電話で相談するというやり方では、
企業側にとっては解決までに
時間を要することになり、
その時間経過が決定的なロスに繋がる
可能性すらあります。

となると、代表者と企業が迅速な決断を
行うためにも、助言・意見・確認は
すぐに行いたい!となるのも
ご理解頂けると思います。

また、これ以外でも、経理や人事・総務等の
会社の管理部門の生産性を向上させるために、
管理部門の業務改善、社内決裁ルール等を
行うという要望を税理士に依頼する場合があります。

どちらのケースにおいても、代表者としては、
「信頼している税理士に常駐してほしい!」
「うちの社員になってほしい!」
という希望がある内容です。

ただ、税理士側としても、企業の社員になると、
税理士事務所としての事業は継続できませんから、
「2週間に1回なら」とか、
「毎週○回、△時間」という内容で、
顧問契約とは異なる契約を結ぶ、
というケースです。

●税理士から提供されるサービス内容

上記にある通り、税理士から提供される
サービスは、企業との契約形態によって
大きく変わります。

敢えて箇条書きにしていくと、
下記のようになると思います。

  • 税理士事務所での記帳代行
  • 会計ソフトの導入支援や指導
  • 決算書作成、申告書作成と提出代行
  • TEL、メール等での相談応対
  • 税理士との打ち合わせ(年1回~毎月)
  • 給与計算、年末調整
  • 融資関連業務応対(資料作成協力等)
  • 節税相談、対策
  • 納税シミュレーション
  • 社内業務改善、個別契約での常駐
  • 取締役や会計参与の就任

この中から、会社の規模、会社の組織体制、
代表者の方針等々により、
税理士のサービスを選択することになると思います。

●税理士に払う料金は??

では、こういった関与を税理士に
依頼する場合、報酬としては、
どの程度になるのでしょうか?

正直ですが、一概に言えません。。。
年商1億円くらいの企業規模で、
通常の顧問契約締結という事であれば、
年間60万円前後でOKという
場合もありますし、
ケース③のように社内にきてもらう契約や、
取締役等の就任となると、
年間数百万円~1,000万円以上
になるもあります。

この段階においては、企業によって、
税理士への報酬は大きく変わります。
税理士の時間拘束具合、業務内容の責任等が
報酬の目安にはなりますが、
大きな報酬になればなるほど、
代表者がそれだけ税理士に期待して
業務を依頼しているということになります。

 

最後に、ご自身が希望する業務を
税理士に依頼した場合の報酬に
全く見当がつかなければ、
税理士紹介ネットワークにご相談ください。
※参照リンク:税理士紹介ネットワーク

さて、今回の報告は以上です。
トータル5回にわたって報告をしてきた
「規模に応じた税理士との付き合い方」
というテーマですが、いかがでしたか?

このテーマの報告が、
税理士との付き合い方がイメージできない
という方々にとって、少しでも
お役に立てる内容であったなら幸いです。

また、次回宜しくお願い致します。