こんにちは!諜報部長!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。

確定申告も終了して、やっと落ち着いた・・・
というのもつかの間、国内の企業は3月決算の会社が多いですから、
12月と近いような雰囲気が世間にはあふれてきています。

確定申告がまだ終わっていないという方は、
下記の記事をご確認頂き、必ず申告まで済ませてくださいね!

※参照リンク
確定申告特集:③申告期限に遅れそうなとき・・・

さて、本題ですが、今回も引き続き「税務調査体験談」です。

<前3回:下記リンク参照>
※税務調査体験談-①告知税務調査体験談-②事前通知(日程調整)
税務調査体験談-③前日~当日

ありがたいことに、弊社も何とか今期で5期目に突入しておりますが、
昨年末に初めての税務調査を受けました。
今まで、税理士紹介事業という仕事柄、税務調査の情報・実情は色々仕入れてきていますが、
やはり、実際に体験することは、また別のものだと思いました。
ということで、本当に「ユーザー」目線での体験談をお話したいと思います。




■税務調査体験談-④調査後~修正申告

前回は税務調査の前日までの自社で行う準備、税理士さんとの事前打ち合わせ、
そして調査当日についてお話をしました。
調査で必要となる資料に関しては、概ね自社で準備を進めなくてはいけないこと、
最終確認や当日のシミュレーションを税理士さんとしておくこと、
そして、調査当日は調査官がどのように調査や質疑を進めていくか、というお話でした。

今回は調査後~修正申告に関してです。

●調査後に関して

税務調査が終わって数日もしないうち、税理士さんから連絡がありました。
先日の調査で調査官が指摘した「消費税の還付額が多いのではないか?」
という件についてです。

「署内で協議して回答します」ということだったので、
税理士さんの見解としては大体1か月前後くらいで回答が来るのでは?
という想定でしたが、内容が軽微だったからなのか、
想定よりも大幅に早く回答がありました。

回答内容は、当然と言えば当然なのですが、調査の時同様、
「還付額が多いです」
という内容でした。

税理士さんとしても交渉をしてくれているのですが、
数万円程度の追加額なので、税務署も全く譲らないという印象です。

恐らく、調査官側としては、もっと大きい指摘が出来ると思って
今回の調査にやってきた可能性が高いのですが、
今までの積み重ねの結果、弊社では全て書類も残っており、本丸での成果が空振りになった分、
細かい計算違いや期ズレ(どの期に計上したものか?)でのミスを指摘して、
今回の調査の成果としたい、という感じのようです。

●修正申告へ

税務署からの回答をもらって、税理士さんと話し合いを続ける中で、

  • 調査官側としては歩み寄りが見えない
  • こちらも、認識違いがありミスがあったのは事実
  • 納税額も大幅に高額ではない

といったところから、この辺で決着をしましょうかという話になってきました。

ある程度、決着の方向性が見えてくると、調査官としては、
「この内容で修正申告をお願いできませんか?」という話になってきます。

修正申告というのは、要は「以前に出した申告書が間違っているから、修正して出し直します」
ということで、つまり自分たちで再提出するものです。
税務調査の決着としては、税務署側から出される「更正(処分)」というものもあるのですが、
大半はこの「修正申告」の提出、というケースが殆どです。

私たちの場合は、ある程度納得しているので、最終的に修正申告することに抵抗はなかったのですが、
その他の税務調査では中々納税者側としては納得できない場合もあると思いますが、
そういうケースを加えても「修正申告」の決着の方が、圧倒的に多いのです。

●修正申告と更正

話は少しそれますが、修正申告と更正では大きく違います。
修正申告は上記の通り、「自分たちで出す」ものであり、
更正は、「税務署から出される」ものです。

両者で大きく違うのは、その後の不服申立て、
要は「内容に納得できない!違う!」と納税者側が申し出ることが出来るかどうかです。
まあ、修正申告に関しては、「自分たちで出した」という(体裁の)ものですから、
その後の「納得できない!」というのが言えないのは、当然と言えば当然です。

では、この内容からすると、明らかに「更正」の方が、
納税者によって都合が良いのに、何故、修正申告で決着するのでしょうか?

最大の理由は調査官の働きかけによるものです。
税務署も役所ですから、更正の処分を行うには署内での手続が多数必要になります。
調査官も一つの案件だけを抱えているわけではありませんから、
その手続きを進めるには時間もかかります。
また、税務署側も更正処分を出すのであれば、間違っているものを出すわけにはいかないので、
調査官がその更正処分を下すのに必要な理由・根拠を明確に用意しなければなりません。
これも、時間がかかりますね。

なので、調査官側としても、出来る限り決着までに時間をかけたくない気持ちもあるので、
色んな話をして、税理士・納税者を説得し、修正申告書の提出までこぎつけようとするわけです。

さらに、調査の結果や指摘内容に納得している人であれば、
修正申告の提出は問題無いはずなので、更正処分が下される納税者というのは、
調査結果やそれによる納税額が増加することに全く納得していない人、
つまり、不服申し立てをされるのがほぼ確定なのです。

当然、不服申し立てになれば、再度の税務調査が行われる可能性は濃厚で、
税務署としては、さらに手間がかかるということです。

個人的な所感とすれば、納得できない場合は更正も辞さない!という気持ちはわかりますが、
こちら(納税者)側に誤りがあり、指摘が納得できる場合であれば、手続もスムーズですし、
調査ばかりに時間をとられて本業に支障をきたすのは本末転倒ですから、
修正申告で決着させることも重要かなと思います。

●修正申告の提出へ

話を本線に戻しますと、私たちの今回の税務調査は修正申告で決着しました。

詳細は税理士さんと調査官で進めてもらいましたが、

  • 今回の指摘箇所
  • 納税する金額
  • 修正申告の提出時期

このあたりの説明を税理士さんから改めてしてもらい、
修正申告書の作成に入ってもらいました。

今回の弊社で行われた税務調査は非常に軽微ですので、
調査当日~修正申告提出まで1か月少々でした。
正直、一般的な税務調査よりもかなり軽微で、かなり短期間での決着だったと思います。

もう、ここまで来たら終わり!!
という感じなのですが、もう少しだけ続きますので、
それはまた次回に・・・。

今回の報告は以上です。
次回も「税務調査体験談」ということで、最終回となる、納税について報告致します。

また、次回宜しくお願い致します。