お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。

さて、今回のテーマは、
「日米貿易交渉
についてのお話です。
しっかりチェックしておきましょう!

日米貿易交渉は結局どうなったのか?

日米貿易交渉は結局どうなったのか?

最近、日本を取り巻く外交・貿易関連の
ニュースが絶えませんが、今回は日米貿易交渉についてです。

G7が行われていたフランスで8月25日、
安倍首相とトランプ大統領が会談し、
日米貿易交渉で基本合意しました。

どのような内容なのでしょうか?
今後はどうなるのか?
まとめてみます。

●日米貿易交渉で基本合意

まずは、ニュースからです。

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日米首脳、貿易交渉で基本合意 9月下旬に署名へ

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48985470W9A820C1MM8000/
2019年8月26日 日本経済新聞

安倍晋三首相とトランプ米大統領は25日、
主要7カ国首脳会議(G7サミット)にあわせて
フランスのビアリッツで会談し、日米貿易交渉で基本合意した。
トランプ氏は会談後の共同記者発表で
「(9月下旬にニューヨークで開く)国連総会をメドに
署名できるようにしたい」と語った。

首相も「9月に首脳会談し(貿易協定案に)
調印することを目標にしたい」と表明した。
両首脳は9月下旬に交渉を決着させることで一致した。
トランプ氏が会談後に
「非常にいい話なので、一緒に会見したい」と提案し、
急きょ共同記者発表を開いた。

貿易交渉は閣僚級協議で23日、
重要品目の扱いに関して大枠で合意した。
トランプ氏は25日「基本合意できた」と述べた。
会談に同席した茂木敏充経済財政・再生相は記者会見で、
農産品と工業品、デジタル経済の3つの分野で
「意見の一致をみた」と説明した。

ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は25日、
70億ドル以上の市場開放につながるとの考えを示した。
首相は首脳会談で、貿易協定とは別に、
米産の飼料用のトウモロコシを購入する考えをトランプ氏に伝えた。

茂木氏は記者会見で米農産品の関税下げについて
「過去の経済連携協定の範囲内で
米国が他国に劣後しない状況を早期に実現する」と明らかにした。
関税の下げ幅は環太平洋経済連携協定(TPP)以下になる。

日本が米国産牛肉にかけている38.5%の関税は段階的に引き下げ、
2033年4月に9%にする。TPPと同水準になり
米国はTPP参加国と競争条件がそろう。

米国の農家は中国との貿易摩擦の影響で、輸出が急減している。
20年の米大統領選で再選を目指すトランプ氏は
日本の農産品の市場開放を
自身の政権運営の成果として訴える見通しだ。

日本が米国に要請してきた工業品の関税引き下げでは
自動車本体の関税撤廃を先送りする。
今回の貿易交渉とは別に、今後も協議を続ける。
米国は離脱したTPPで「自動車関税を25年で撤廃する」
と合意した経緯がある。

日本は米国による「通商拡大法232条」に基づく
自動車への追加関税は受け入れられない立場だ。
昨年9月の首脳会談の共同声明では
貿易交渉中は追加関税の発動は回避すると明記した。

トランプ氏は共同記者発表で
「中国について高関税はかかっているのは変えない。
一方で日本についても変えない」と語った。
茂木氏は「最終の仕上がりの段階で
きちんとした対応をしたい」と語り、
9月下旬の交渉決着時に今後も発動を回避するよう
トランプ氏に確約を求める考えを示した。

今回の日米首脳会談について外務省は当初、
会談が2度開かれたと発表したが、
2度目は共同記者発表の打ち合わせだったと訂正した。

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この日米貿易交渉は、7月に行われた参院選前に
少し物議を醸し出したものだったのを覚えているでしょうか?

トランプ大統領が5月末の訪日した際の
首脳会談で日米貿易交渉について
「おそらく8月に両国にとって素晴らしいことが発表されると思う」
と語り、また翌6月に農業州であるアイオワ州での演説で、
「日本が間もなく農産物をたくさん買ってくれるようになる」
と公言していました。

そうしたことから、日本の野党たちは
「大幅な譲歩をした密約だ!」
「選挙後に先送りする卑劣な争点隠しだ!」
と大騒ぎしていたのでした。

同様に一部のメディアでは、
「日本はTPPレベルを超える合意をさせられた可能性が高い」とか
「農家にとって測り知れないダメージ」と煽り立てていたわけです。

今回の日米貿易交渉の基本合意は、
そうした憶測の答え合わせ
という見方もできるのではないでしょうか。

●注目の日米貿易交渉の中身は?

注目の日米貿易交渉の中身はどのようなものになったのか。

実は、まだ具体的な内容は公表されておらず、
どの分野でどれだけの税率になった
などの話はほとんど出てきていません。

あくまでも、大枠合意ということで
詳細についてはまだこれから詰めるということのようです。

では、何が大枠合意したのか。
現段階でわかっているのは次のような内容です。

【米国の利点】

  • 米国が日本へ輸出する農産品は、
    TPP水準を限度に関税引き下げ・撤廃
  • 対象となる品目は、牛肉・豚肉・乳製品・小麦・ワイン
    など幅広い品目を網羅

【日本の利点】

  • 自動車部品などを含む工業製品8割以上の品目で関税撤廃
  • 一時25%の追加関税をかけるとしていた自動車関税を回避

お互いに譲り合ったとも見れなくもない内容ですが、
従来に比べ非常に速いスピードで合意に至ったと言われています。

その背景には、米国側の思惑として
「中国との貿易戦争をしている最中に
日本とも事を構える二正面作戦は避けたい」、
「来年の大統領選へ向けて早く結果がほしかった」
があったのではないかという憶測があります。

また、利点が少ないようにみえる日本側も交渉前にあった
「TPP水準を超える要求をされるのではないか」
という不安を払しょくできたため、
早めに合意した方が良いと判断したと見られています。

つまり、お互いの思惑が早期合意にあったため、
双方が過度な要求をせずに決着したということになったようです。

●結局、密約はなかったのか?

詳細が明らかになっていないため確定的なことは言えませんが、
当初恐れられていた「農産品のTPP水準を超えるような密約」
はなかったように見えます。

とは言え、まだいくつかの点で憶測を呼んでいます。

1つは、ライトハイザー通商代表の発言で、
「今回の合意で70億ドルを超える規模の市場が開放される」
としたもので、現在の日本が輸入している米国農産品は
約140億ドル相当であることから、実質的に輸入量が
1.5倍になると見解を示したことにあります。

野党側からは、「現在日本は少子化で、
国内農産物の需要も頭打ちなのにどうやって
新たに約7,400億円もの米国農産物を輸入できると考えるか」
と問われています。

つまり、「まだ公表していない特別な購入枠が
設けられているのではないか」というわけです。

もう1つは、余剰トウモロコシの購入です。
トランプ大統領が「日本が余剰トウモロコシを全量購入する」
と主張していることについて、
日本側が「全量買い取ると言う事実はない」と主張しつつも、
「害虫によって国内の一部農産品が影響を受けており、
特定の農産品を購入する必要性が生じている」
と苦し紛れの認識を示していることです。

日本の主張によれば、「害虫被害によって、民間セクターが
米国産トウモロコシを前倒しで購入する動きがあり、
それを緊急措置として支援する必要がある」としています。

これを受けて、早速メディアが各地に飛んで
トウモロコシの害虫被害のレポートを始めており、
ほとんど被害実態がないことが明らかになりつつあります。

つまり、「実態がない害虫被害をでっちあげて
トウモロコシを過剰に購入する約束をしたのではないか」
というわけです。

いずれの疑惑についても現段階では何とも言えませんが、
疑義があるのは確かなので「密約はあった」とも
「なかった」とも断じられる状況にはないようです。

●今後どうなるのか?

今回の大枠合意に至ったのを受けて、日米両政府は
9月下旬にニューヨークで開かれる国連総会に合わせて
行われる首脳会談で一定の成果を出すことを目指しており、
この時期に正式合意をする可能性が出てきています。

その後、日本では正式合意や署名などを経て、
秋の臨時国会に条文を提出し、
批准手続きに入るという公算になります。

ただ、9月の大枠合意がなければ
批准は来年の通常国会まで持ち越され、
発効が来年1月の米国大統領選直前に
なってしまい兼ねないということもあります。

加えて、合意内容次第では、日本の国会が荒れる可能性もあるため、
まだまだ予断を許さない状況ということになりそうです。

以上、いかがでしたでしょうか。

トランプ大統領の早期に結果を出したいという思惑が
今回の大枠合意に至った最大の理由でしょう。
そのため、米国側が一定の成果に留め過度な要求を避けた結果、
日本側も許容範囲で一安心
といったところというのが真相な気がします。

とは言え、大筋合意となってからも
ギリギリと詰めてくるのが米国だったりもしますから、
いくつかの疑惑が明らかになることも含めて、
まだまだ予断を許さない状況なのは間違いないと思います。

日米貿易交渉の結果は、日本の産業への影響に加えて、
日本が輸入する各国へも影響がありますから、
今後の動向に注目したいところです。