お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。

さて、今回のテーマは
「ファーウェイ包囲網」についてです。
しっかりチェックしておきましょう!

ファーウェイ包囲網!? 締め出される中国通信機器企業

■ファーウェイ包囲網!? 締め出される中国通信機器企業

中国の通信機器メーカーであるファーウェイ。
このところ関連するニュースが
立て続けに出てきています。
一体何が起きているのでしょうか?
まとめてみます。

 ●日本政府が中国ファーウェイ・ZTEの通信機器を排除へ

まずはニュースからです。

───────────────────────────────────

中国ファーウェイ・ZTE製品を排除へ 政府調達「安全保障上」

2018年12月7日 金曜 午後0:11 FNN PRIME
https://www.fnn.jp/posts/00407171CX

中国通信機器大手の
「ファーウェイ」などの製品について、
政府は、安全保障上の懸念から、
全ての府省庁の調達から、
事実上、排除する方針を固めた。

政府は、各府省庁や自衛隊などが使用する
情報通信機器から、ファーウェイの製品を
事実上、排除する方針を固め、
同じく「ZTE」についても排除する方向。

2社は、中国政府との密接な関係が指摘されており、
機密漏えいやサイバー攻撃を防ぐ狙いがある。

与党関係者は、
「政府がファーウェイの製品を分解したところ、
ハードウエアに『余計なもの』が見つかった」
と話している。

来週にも各府省庁が申し合わせ、
政府調達の内規を改めることにしている。
ただ、中国を刺激しないように名指しはしない方向。

菅官房長官は「現段階で、具体的な取り組み状況
については、コメントすることは控えたい。
いずれにしろ、わが国全体のサイバーセキュリティーの
向上に向けて、引き続き、さまざまな観点から
取り組みたい」と述べた。

2社の通信機器をめぐっては、
アメリカやオーストラリア、ニュージーランドなどの
政府機関でも排除の動きが広がっている。

───────────────────────────────────

ファーウェイやZTEの通信機器やスマホについては、
以前から問題視されていました。

特に、今年の初め米国のFBI・CIA・NSAなどの
諜報機関がこぞってファーウェイやZTEの
製品サービスを利用すべきでないと警告しています。

その具体的なリスクについては、
あまり明確にはされていませんが、
悪意を持って情報を変更または盗む能力を有しており、
検出されないスパイ活動を行う能力を有している
ようです。

過去には、通話履歴や位置情報などを
中国のサーバーに勝手にデータを送信するアプリが
インストールされたAndroid端末が
販売されていたこともありました。

今回の日本政府の対応は、
こうした背景を受けての対応と言えそうです。

●ファーウェイってどんな会社?

ファーウェイ(HUAWEI)は1987年に中国・深センで
任正非(レン・ジェンフェイ。1944年生まれ。74歳)
をはじめとする人民解放軍の
軍事技術関係者たちによって設立された
未上場の通信機器メーカー
です。

レン氏は、中国人民解放軍に10年以上在籍し、
毛沢東思想を徹底的に叩き込まれ、
毛沢東学習の模範生に何度も選ばれた
叩き上げと言われています。

その毛沢東思想は、
次のような4つの考えが
中核になっていると言われており・・・

  1. 大公無私:個人の利益より公共の福祉を優先する
  2. 大衆路線:農村大衆の意見をベースに指針を決める
  3. 実事求是:現実から学んで理論を立てる
  4. 人民戦争理論:農村から蜂起して都市を囲い込んでいくゲリラ戦術

ファーウェイは、こうした毛沢東思想を
ビジネスで実践している
と言われています。

また、ファーウェイは軍関係者から
多額の投資を受けていたり、
人民解放軍から長期に渡り無償で
キー・テクノロジーを提供受けたり、
多数の軍との共同プロジェクトが進められています。

こうしたことから、ファーウェイは
中国政府や人民解放軍に近い国策企業

中国国民を始め国際的にも認知されています。

ビジネス規模としては、通信機器市場では
世界最大級で売上高は約5兆円、
モバイル・ブロードバンド機器等では世界第1位。
スマートフォン市場では、
出荷台数・シェア共に世界第3位で
売上高は約4兆円となっており、
その他を合算すると全社で売上約10兆円が目前に控えています。

日本市場で見ると、日本の通信事業者との関係は深く、
2000年代頃から通信機器ベンダー
としての地位を確立し、
2007年に日本の端末市場へ参入してから
旧イー・モバイル(現Y!モバイル)や
旧ウィルコムなどのブランドで携帯電話を提供開始。

その後、ソフトバンク、ドコモ、auなどの
各種端末を提供し、
現在ではSIMフリースマホとして
一定の地位を確保しつつも、
各キャリア向け端末としても
リリースを続けています。

これだけの世界的な通信機器メーカーですから
その影響力は絶大で、これから到来する5G時代は
さらに拡大することになるでしょう。

こうした状況に懸念を持つのはやはり“米国”です。

●米国の思惑とは?

前述したとおり、米国の諜報機関が
中国製通信機器製品について警戒を呼び掛けており、
トランプ政権による対中貿易政策が
強硬になるにつれて、
その勢いを増してきているようです。

特に、それは米国国内だけに留まらず、
米国の同盟国などにも
中国製通信機器の使用制限を求めている
ようです。

ですから、多くの識者やエコノミストは、
米中貿易戦争の一環として
トランプ政権が主導して包囲網を広げている
とも言われています。

確かにそうした側面もあるとは思いますが、
実際に脅威として感じているのは間違いないでしょう。

ご存じのように元NSA・CIAの局員である
エドワード・スノーデンの告発によって、
米国の諜報機関があらゆる通信を常時傍受しており、
必要に応じて個人を追跡して
盗聴していることが明らかになりました。

中国の通信機器がこのような傍受環境を
構築するのに使われるのだとすれば、
その意味やリスクを最も理解し
恐怖しているのが米国
なのでしょう。

事実として、今年10月にも中国製のサーバー基盤から
盗聴用の専用チップが発見されと報じられており、一騒動ありました。

参考)中国、マイクロチップ使ってアマゾンやアップルにハッキング

2018年10月4日 ブルームバーグ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-04/PG2CZY6TTDS801

特に中国は実質的に一党独裁の国家であるため、
弾圧された民族や共産党に反対する反体制派勢力などを
含む国内の暴動が年間数十万件にも上ります。

そのため、そうした組織や個人への
取り締まりを強化しており、
国内の監視体制を強めています。

ニュースなどでもAIを駆使して
監視カメラに映った人物を判別するようなシステムが
構築されていると報じられていますが、
それらが先だって導入されているのが
人民解放軍によって侵略された新疆ウイグル自治区で、
やはりファーウェイ製機器が中心となって構築されているようです。

そう言った意味では、中国は必要に迫られて
監視・盗聴システムを構築してきた経緯があり、
それらを世界的に広げようと
考えているのかもしれません。

そんな中で、また関係しそうな事件が
立て続けに起きています。

●ファーウェイCFOが逮捕

12月1日、ファーウェイの最高財務責任者(CFO)が
イランへの制裁に違反したとして、
米国の要請によりカナダで逮捕されました。

その容疑は、秘密の子会社を通じて
対イラン制裁に違反する取引を行っていた事実を
金融機関に虚偽報告していた疑い。

カナダ政府側の弁護士によれば、
複数の金融機関への詐欺行為を企てたとし、
有罪になれば30年以上の禁固刑になる可能性もあるようです。

●ソフトバンクや海外通信事業者で同時多発的に通信障害

ファーウェイCFOの逮捕が報道された12月6日、
ソフトバンクなど世界11カ国の携帯電話事業者の
通信サービスが同時多発的にダウンし、
世界中が騒然としました。

特にソフトバンクは
上場を目前に控えた大切な時期ですから、
「経済テロではないか?」とか、
「ファーウェイ製品の不具合ではないか」、
あるいは「ファーウェイの妨害工作なのでは?」
と様々な憶測が飛び交いました。

その後の調査によれば、原因は競合会社にあたる
スウェーデンの通信機器大手エリクソンの製品
にあったようで、デバイスに組み込まれた証明書の
有効期限切れだったと見られています。

いずれの事件もファーウェイの
傍受疑惑に関連するものではないのですが、
どちらも発生した当時は
ファーウェイへの疑いが急速に高まったこともあり、
様々な憶測や陰謀論が噴出した印象的な事件となりました。

そうした現象が示すように、
ファーウェイへの疑惑は徐々に高まりつつあり、
取り巻く状況はとても厳しいものになっていきそうです。

ですから、米国を始めとする関係国からの
締め出し圧力が強まってくるのは
間違いないでしょうし、
中国側がそれに反発するのは必至でしょう。

以上、いかがでしたでしょうか。
米国が危機感を持っている
ファーウェイやZTEなどの通信機器メーカー。

米中貿易戦争の一部だとする見方もありますが、
その枠を越えて米中の覇権争い=米中冷戦
と見る方が自然だと思います。

次に来るIoT社会の根幹を担う5G技術を
ファーウェイ等の中国企業が担うとしたら、
米国が発明したインターネットは
中国製品の上で実現されるものになりかねません。

今後の社会は、情報がより重要性を増してきますから、
どちらの陣営が通信インフラの覇権を握るかは
今後の人類がどうなるかをも左右する要素
と言っても過言ではないかもしれません。

今後も注目していきたいところです。