こんにちは!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。

さて、今回も引き続き、
「個人事業主の税金」
というテーマでお話をして
いきたいと思います。

<前2回:下記リンク参照>
 ※個人事業主の税金-①所得税・住民税個人事業主の税金-②消費税

社会情勢の変化、様々なサービスの登場により、
最近ではサラリーマンや主婦、学生でも、
自分で仕事を受けたり、物を販売したり
といった活動をされる方が増えてきています。
そして、個人で仕事を行うと切り離せないのが、
「確定申告」と「税金」の話です。

例え100万円以下の売上でも、
学生でも、主婦でも、
会社勤めやアルバイトで得た収入ではなく、
ご自身の事業で獲得しているのであれば、
立派な個人事業主です。

そして、個人事業主として活動する以上、
事業規模の大小に関わらず、
税金は自ら納付しなければならず、
確定申告や納税・還付に関する話は
知っておかなければなりませんので、
これから個人事業主として活動される方、
始めたばかりの方にとって、
少しでも役立つ内容であれば幸いです。

個人事業主の税金-③個人事業税

■個人事業主の税金-③個人事業税

前回は、個人事業主における
「消費税」についてお話をしました。

個人事業主の消費税におけるポイントとして、
主に以下のような話に触れました。

  • 消費税は免税される条件がある
  • 年商5,000万円未満なら簡易課税制度が利用可能
  • 申告・納付期限は毎年3月31日
  • 簡易課税が一般課税はきちんと精査して選択する必要あり

さて、今回は「個人事業税」について
お話を進めていきたいと思います。

●聞きなれない個人事業税

前2回で触れた「所得税」「住民税」「消費税」は
ご自身で納付する機会があるかどうかは
別にしても、名前としては働いたことがある人なら
耳にしたことがある一般的なものだと思います。

ですが、この「個人事業税」に関しては、
恐らく個人事業者になってから
初めて耳にされる人が多いのではないでしょうか?

個人事業税はその名の通り、
個人事業主、つまり自営業者にのみかかる税金です。
法人の場合、事業の儲け等に対して法人税(※)が
発生するのはご理解頂けると思いますが、
それと同様、個人事業主の事業の儲けに対して
かかってくる税金です。
※厳密には、「法人税等」ということで、
法人税、法人事業税、法人住民税に分かれます。

また、これも課税所得に対して
かかってくる税金なので、
売上から各種経費や控除等を差し引いて、
残った所得に対して発生します。

【対象者と税率】

個人事業税は、ほぼすべての個人事業主が対象です。
何故、ここで「すべて」と言わずに、
「ほぼ」すべてということになるかというと、
個人事業税の対象職種は「法定業種」の
70種に決まっているためです。

さらに、この「法定業種」毎に
税率も3%・4%・5%のいずれかに決まっています。

個人事業主の方は、
売上から必要経費を差し引き、
更に各種控除を差し引きして、
残った課税所得額に業種ごとの設定税率をかけて、
個人事業税を納める、ということになります。

ただ、本当にほぼすべての業種が適用になりますし、
税率も殆どが5%ですので、そう考えておいた方が無難です。

※法定業種と税率

区分 税率 事業の種類(業種名)
第1種事業

(37業種)

5 物品販売業 運送取扱業 料理店業 遊覧所業
保険業 船舶定係場業 飲食店業 商品取引業
金銭貸付業 倉庫業 周旋業 不動産売買業
物品貸付業 駐車場業 代理業 広告業
不動産貸付業 請負業 仲立業 興信所業
製造業 印刷業 問屋業 案内業
電気供給業 出版業 両替業 冠婚葬祭業
土石採取業 写真業 公衆浴場業(むし風呂等)
電気通信事業 席貸業 演劇興行業
運送業 旅館業 遊技場業
第2種事業

(3業種)

4 畜産業 水産業 薪炭製造業
第3種事業

(30業種)

5 医業 公証人業 設計監督者業 公衆浴場業(銭湯)
歯科医業 弁理士業 不動産鑑定業 歯科衛生士業
薬剤師業 税理士業 デザイン業 歯科技工士業
獣医業 公認会計士業 諸芸師匠業 測量士業
弁護士業 計理士業 理容業 土地家屋調査士業
司法書士業 社会保険労務士業 美容業 海事代理士業
3 あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復
その他の医業に類する事業
装蹄師業

【控除額】

所得税や住民税にも控除があるように、
個人事業税にも「事業主控除」というものがあります。
その金額は290万円です。

つまり、事業所得(及び不動産所得)から各種控除を引き、
残りの所得が290万円以下なら個人事業税は発生しません。

この事業主控除は、収入(売上)から差し引くのではなく、
収入から経費を引いた後の所得から差し引くので、
290万円は結構大きい数字です。

前段で触れた法定業種がほぼすべての事業者を
対象にするものだとしても、この事業主控除があるので、
副業的に活動している人だと、290万円超の所得は
結構ハードルが高いものです。
一般的には、個人事業を本業として活動している人や、
相当な賃料収入が発生している人だけが、
個人事業税の課税対象になると思います。

ちなみにですが、前々回で触れた
青色申告適用での特別控除は、
個人事業税の計算には考慮されません。
ただでさえ、290万円の控除があるので、
更に青色申告特別控除で65万円の控除!
ということにはならない、ということです。

【申告・納付】

個人事業税は地方税なので、都道府県税事務所に
申告を行うのが本来のルールです。

ただ、実際にそれを行っているのはごく少数で、
個人事業主の方であれば、毎年3月15日までに
管轄税務署へ確定申告を実施すれば、問題ありません。

税務署に申告した内容が、その後、自治体へ共有され、
後日、課税対象の方には納付書が送られてきます。
この辺は、住民税の仕組みと同じですね。

納付に関しては、上記の自治体から送付されてきた
納付書を基に申告・納税を行うことになります。
原則として納税は「8月末」と「11月末」の年2回です。

最後に、納付方法ですが、一般的なのは
金融機関・都道府県税事務所での窓口納付か、
口座引落等が主流です。
それ以外にも方法はありますが、
国税と異なり、クレジットカード納付に関しては、
対応・未対応が自治体によって異なりますので、
ご注意ください。

●最後に・・・

確定申告をせず、年末調整で済ませていた
会社員の方や、主婦・学生の方に関しては、
個人事業者になって確定申告を行うことで、
初めて自らが主体的に納税することになります。

個人事業主になったら確定申告は必要!
という事くらいはどんな方でもご存知だと思いますが、
申告は申告であり、それに基づいた納税、
それに基づいた税目があることを
頭の片隅にでも置いて頂ければ幸いです。

個人事業主の税金-③個人事業税

さて、今回の報告は以上です。
全3回にわたってお話した、
「個人事業主の税金」というテーマですが、
いかがでしたでしょうか?

上記で触れた個人事業税は、
一定水準の個人事業者にのみ発生する税金です。

正直、個人事業税が発生しないうちは、
税理士に依頼するのも費用的には
負担に感じてしまうと思いますが、
個人事業税をある程度納めるように
なってきているのであれば、
前回の消費税同様、税理士と関与する一つの目安です。

  • 確定申告が面倒
  • 納税額を事前に把握しながら活動したい
  • 出来る限りの節税はしたい

こういった点をお考えになっているようであれば、
税理士に報酬を支払ってでも、
税理士と関与して、申告・相談の応対をしてもらった方が、
ご自身にとって大きくプラスになる可能性があります。

もし、税理士との関与を検討されるのであれば、
個人事業主の応対に長けた税理士を
無料で紹介可能な下記サービスへご相談ください。

税理士紹介ネットワーク~タックスコンシェルジュ~
https://www.tax-concierge.net/

また、次回宜しくお願い致します。