こんにちは!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。

さて、今回のテーマも引き続き、
「税理士の報酬相場」
ということでお話をして
いきたいと思います。

<前2回:下記リンク参照>
※税理士の報酬相場-①個人事業主の場合税理士の報酬相場-②法人の場合

税理士に依頼するときに報酬が発生するのは
どなたでもご理解頂けると思うのですが、
では、実際にそれが幾らぐらいなのか?
という話に関しては、
税理士に依頼されたことがある方以外は、
税理士報酬の見当がつきにくいのが
実情ではないでしょうか?

ということで今回も、
税理士紹介会社の情報・経験から
税理士報酬・料金の相場について
お話をしていきたいと思います。

実際に税理士の報酬を調べている方、
これから税理士を依頼しようと思っている方に、
少しでも役立つ内容であれば幸いです。

税理士の報酬相場-③年商1億円以上の法人の場合

■税理士の報酬相場-③年商1億円以上の法人の場合

前回は「法人の場合」の
税理士報酬相場についてお話をしました。

規模感に関しては、概ね年商1億円以下の
法人の場合という前提で、

  • 最低でも1期:15万円程度は必要。
    ただし、この最低価格で関与することはあまりない。
  • 年商、記帳代行、打ち合わせ回数を考慮して決定する
  • 売上が上がるにつれて、関係も深くなる為、報酬も上がっていく

こういった特徴をお話しました。

その上で、最終的な相場感としては、

  • 年商3,000万円くらいまで:売上の1~1.5%前後
  • 年商5,000万円くらいまで:売上の1%前後
  • 年商1億円くらいまで:売上の0.5~1%前後

というお話をさせて頂きました。

さて、今回は「年商1億円以上の法人の場合」の
税理士報酬相場について、
お話をしていきたいと思います。

●報酬の仕組みは今までと異なる

前2回では、それぞれ個人事業主と
概ね年商1億円以下の法人の場合の
税理士報酬相場についてお話をしました。

そして、この2つのケースに関しては、
最低料金等が異なったり、
年商が増額するにつれて報酬の上昇割合が緩くなったり
といった差異があるものの、
税理士報酬が増減する要因に関しては、
概ね同じ内容でした。

ただし、今回お話する年商1億円以上の企業の場合、
今までほどシンプルな内容とはなりません。
法人(事業者)側の要因だけでなく、
依頼する税理士事務所の考え方によって、
かなり報酬に差が出てきます。

税理士事務所の中には、
年商1億円以上は料金表を設けず、
「すべて個別見積もり」
と設定しているところもあります。

じゃあ、報酬相場なんか話せないじゃないか、
となってしまいそうですが、
それではこの話が終わってしまいますので、
最低報酬、報酬が上昇する要因等について、
お話をしていきたいと思います。

●税理士報酬相場:法人(年商1億円以上)の場合

では、具体的に年商1億円以上の法人に関する
税理士報酬についてお話を進めていきます。

【最低報酬の相場】

まず、年商1億円以上の法人が
税理士へ関与を依頼する場合ですが、
最低でも1期:40~50万円前後は必要
とお考えください。

仮に報酬を減額させたいということで、
年間1回だけ・決算だけのやり取りを希望しても、
恐らく税理士側が了承しないと思います。

これは、前回のお話で触れたように、
税理士の関与は年商が上がっていくと、
税理士側の責任量が増加するため、
最低限の関与を希望するといっても、
法人の状況を把握するために
税理士側から年間複数回の打ち合わせ・訪問を
打診されるはずなので、このくらいの報酬が
最低限でも必要になってしまうわけです。

【報酬の増減に影響を与える要因】

次に、報酬が増減する要因についてですが、
この規模になってくるとすべてにおいて、
「税理士側への工数・手間」が
報酬に影響を及ぼす要因になります。
逆に、今までと異なり、一定以上の規模となると、
年商の要因ではあまり変動しなくなります。

主に、

  • 事務作業・会計処理の実務依頼
  • 税理士事務所との打ち合わせ数が年間何回か
  • 特殊な会計処理が必要な事業を営んでいるか
  • 消費税還付等の処理が発生するか
  • 複数の事業を営んでいるか

などの要因を鑑みて、報酬が決まります。

その中でも税理士事務所側の手間が
非常に大きく増加する状況が、
事務作業・会計処理の実務依頼であり、
企業側に「経理担当(部署)が存在しない場合」です。

年商1億円以上の企業になると、
従業員も複数名存在するはずです。
取引や支払い等もある程度存在しています。
そんな状況で経理担当者や経理部署が存在しない場合は、
記帳代行も丸投げになるでしょうし、
大規模な企業の場合は、税理士事務所側から
担当者を派遣してもらうことになります。
さらに、経理担当者も存在しないような状況では、
給与計算等の税務・会計以外の実務も依頼することに
なる場合もあり、さらに報酬が増加する要因になります。

前回までだと、「記帳代行の有無」
という話でまとめていましたが、
事業者の規模が大きくなってくると、
経理担当者が事業者側に不在だと、
依頼する内容が「記帳代行」以上になる
ということです。

年商1億円以上の規模で
経理担当(部署)が存在せず、
税理士事務所にすべて丸投げするというケースは、
年間100万円程度の報酬は
最低限覚悟しなければならないかもしれません。

【複数の税理士と関与する場合】

年商1億円以上の法人ということなので、
対象としては、上場企業やそれに準ずる大企業も
含まれています。
そして、こういった大企業になっていくと、
税理士と複数関与する場合も出てきます。

これは、顧問税理士を複数関与するということではなく、
顧問税理士(メイン)とは別に、
専門分野の異なる税理士事務所とも
契約するという場合です。

  • 税務調査に特化した税理士
  • 海外関連の処理に詳しい税理士
  • 自社業界(の事情・税法)に精通した税理士

等をセカンドオピニオンとして
依頼するという場合などが多いです。

こういったセカンドオピニオンの税理士ですが、
具体的な税務・会計作業にはタッチせず、
純粋にアドバイザーとしての「顧問契約」を
報酬的には月3~5万円くらいで締結することが
多い印象です。

【毎年別途報酬が発生することも多い】

税理士の顧問契約は「年間○○万円」というように、
1期あたり幾らという形で契約することが殆どです。
そして、この年間報酬額を
「毎月○万円、決算時等4~6か月分」
という割り振りで支払うのが一般的です。

ただし、この上記の契約内に含まれるのは、

  • 税務相談(対面打ち合わせ含む)
  • 会計・記帳指導
  • 各種申告書作成、提出代行
  • 試算表・決算書作成
  • 年末調整の実施、源泉徴収票の発行

こういった内容です。

年末調整や源泉徴収票の作成に関しては、
従業員数が多くなると自社で実施、
ということになるかもしれませんが、
一般的に、税理士の顧問報酬内の業務は
上記内容に限られています。
なので、それ以外の業務に関しては、
追加報酬が発生します。

「え!税理士って顧問料以外にお金かかるの?」

と思われるかもしれませんが、
小規模企業に関しては、上記以外の報酬は
基本的に発生していないはずです。

理由は、「税務相談」という内容が非常に広く、
税金面での資金繰り指導や、
節税アドバイス等を諸々含んでいる為、
大抵の場合は列挙した業務内で事足りてしまうわけです。

ただ、企業規模が大きくなると
追加業務が発生しやすくなります。

最もわかりやすいのは、「税務調査関連費用」です。
税務調査は毎年発生するとは限らない為、
税理士の年間報酬内に組み込まれておらず、
発生した年だけ、税務調査の立ち会い費用や
修正申告費用の報酬を請求されます。

そして、税務調査に関しては、
零細企業・個人事業者よりも、
中堅企業・大企業の方が発生しやすいので、
この費用も発生しやすいというわけです。

さらに、株式の算定業務や、
M&Aに関わるデューデリジェンス等、
毎年の税理士顧問業務内で発生するのが
確実でない業務は顧問料に組み込まれていないのですが、
大きい企業ではこのような業務が発生する頻度が
零細企業・個人事業者と比較して
非常に多くなるため、別途報酬も発生しやすい、
というわけです。

【報酬相場・目安】

上記を踏まえて、年商1億円以上の法人が
税理士に依頼する場合の報酬相場・目安のまとめは、
以下のようになります。

  • 最低でも1期:40~50万円前後は必要
  • ある程度を超えると、年商が上がっても報酬は増減しない
  • 税理士側の「工数・手間」が報酬に大きく影響する
  • セカンドオピニオン利用は月3~5万円程度が多い
  • 顧問料以外の業務で別途報酬が発生することが多くなる

正直、年商1億円を超える規模になると、
格安で税理士が関与するということはまずありません。
「格安=税理士側の手間や責任が少ない状態」なので、
一定以上の規模の企業を関与する場合には、
税理士側としても割に合わなくなってしまうからです。

だからこそ、値段云々よりも、

  • きちんと信頼関係を築ける相手か?
  • 連絡が遅滞なくとれるか?
  • コミュニケーションが円滑か?
  • 自社業態への理解があるか?

こういった所で税理士を選んだ方が良いと思います。

税理士の報酬相場-③年商1億円以上の法人の場合

さて、今回の報告は以上です。
次回も同じテーマ、
「税理士の報酬相場」
について報告したいと思います。

上記で申し上げました通り、
税理士の報酬は相場が存在するものの、
中々わかりにくいものです。

その為、自社の税理士報酬額が適正なのか?
という疑問は中々解消されません。
ただ、一点お話をするのであれば、
既存の税理士事務所への報酬額に
疑問を持った状態というのは、
何かしらの不満を感じている証拠かもしれません。

もし、自社の税理士報酬が高いかも?
という疑問を持たれた方に関しては、
ご自身の場合の税理士報酬相場について
お話することも出来ますので、
是非こちらにご相談ください。

税理士紹介ネットワーク~タックスコンシェルジュ~
https://www.tax-concierge.net/

また、次回宜しくお願い致します。