こんにちは!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。
さて、今回からのテーマは、
「個人事業主の税金」
ということでお話をして
いきたいと思います。
最近では、会社員の方でも副業として
フリーランスで活動される方も増えてきています。
そうなると切っても切り離せなくなるものが、
「確定申告」と「税金」の話です。
今まで会社勤めしかされていない方は、
給与から納税分は天引きされている為、
ご自身で納税するという機会は
無かったかもしれませんが、
フリーランスや副業とはいえ
自ら収入を継続的に稼ぎだすようであれば、
立派な個人事業主です。
個人事業主として活動する以上、
税金は自ら納付しなければなりません。
事業規模の大小に関わらず、
確定申告や納税・還付に関する話は
知っておかなければなりませんので、
これから個人事業主として活動される方、
始めたばかりの方にとって、
少しでも役立つ内容であれば幸いです。
![]()
■個人事業主の税金-①所得税・住民税
さて、早速本題に入っていきますが、
個人事業主の方が関わる税金は、
主に以下の4つです。
- 所得税
- 住民税
- 消費税
- 個人事業税
今回は、この中から恐らくなじみ深い
「所得税」と「住民税」について、
お話をしていきます。
●所得税について
所得税は、1年間の所得に対して課税される税金です。
個人事業主として活動される前にも、
会社員やパート・アルバイトで働いていれば、
給与から天引きされている税金です。
この税金は、所得税という名の通り、
「所得」に対して課税されるものです。
ざっくりと説明すると、
収入(=売上)にかかってくるものではなく、
収入から経費等を引いた残りが「所得」になります。
【控除と税率】
実際の所得税額を計算するためには、
まずは、「控除」について知らなければなりません。
上記で触れた通り、収入(=売上)から
経費(事業活動に必要となる原価や販管費)を
引くことが出来ますが、
これだけだと求められるのは「事業所得」、
つまり、事業の儲けだけであり、
これにすべて課税されるわけではありません。
この事業所得からさらに差し引くことが可能なのが、
諸々存在する「控除」です。
「事業所得」から各種の「控除」を差し引きすることで、
個人事業主としての「課税される所得金額」が決まります。
※国税庁:所得控除のあらまし https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1100.htm
その上で、税額の計算となっていくのですが、
所得税は所得に応じて税率が段階的に上がる
「累進課税」の税金です。
その為、所得が少ない人は税率も低く、
大きい人は税率も高くなっており、
事業所得が控除額以下の人やマイナスの人は、
税金がかかりません。
・所得税 速算表
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円超 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円超 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円超 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
| 900万円超 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万円超 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
※国税庁:所得税の税率 より https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
【申告・納付】
では、この所得税を納める方法ですが、
確定申告を行い、税務署に納付することになります。
確定申告は、ご存知の通り、
1年間の所得内容を国に申告する制度です。
所得金額をその名の通り「確定」させるわけで、
必然的にその人が納付する税額も「確定」します。
前段で触れた、収入(=売上)と経費、
さらに適用可能な各種控除を記載した上で、
1年間の所得金額を計算し、申告します。
個人事業だけでなく、会社員としても活動している方や、
その他の事業活動以外の収入があった人は
それも全て加えて行うことになります。
文章にすると凄くシンプルですが、
事業活動を行う方に関しては、
売上・経費に関する内容を記帳(帳簿にする)必要があり、
1年分を一気にやろうとすると、かなり大変です。
ですが、この確定申告においては、
事前に承認を受けた上で適正な記帳を行い、
申告書と合わせて決算書(貸借対照表と損益計算書)
まで提出を行うと、青色申告の特典として
さらに控除が受けられます。
最近では簡単な会計ソフトも出てきたので、
ご自身で青色申告を行う方もいらっしゃいますが、
- 自分で計算するのが苦手な人
- 適正な記帳は難しいが、青色申告の適用を受けたい人
- 事業活動に専念をしたい人
- 今後も事業を拡大していく方針の人
こういった人達が確定申告を税理士さんに依頼しています。
申告と納付の期限は、土日等が重なると多少ズレますが、
毎年2月16日~3月15日です。
この間に、確定申告と申告結果に基づいた
税額の納付が必要となります。
納付方法は、税務署や金融機関での窓口納付だけでなく、
振替やクレジットカード等、多用な方法が用意されています。
※国税庁:国税の納付手続(納期限・振替日・納付方法) http://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/01.htm
ちなみにですが、何故、会社員としてお勤めの方は
確定申告を行わない方が大半かというと、
ほぼ同等の手続として「年末調整」を行っているからです。
その年の収入が勤務先の給与だけで、
対象となる控除も生命保険料控除や扶養控除等の
一般的な内容で済むのであれば、
年末調整だけで済んでしまっている、
というわけです。
●住民税について
住民税は、自らが居住する(住民票所在地の)自治体に納める、
「都道府県民税」と「市区町村民税」の合算です。
上記の所得税は国に納める「国税」であるのに対し、
住民税は地方自治体に納める「地方税」となります。
【控除と税率】
住民税も所得税と同様に所得金額、
つまり「課税される所得金額」
に応じて税額が計算されます。
そして、こちらも所得税と同様、
「課税される所得金額」を計算する際、
諸々の控除が適用できます。
所得税と控除の金額が異なったりはしますが、
概ね似たような考え方です。
ただし、大きく異なるのが「税率」です。
所得税が累進課税であるのに対し、
住民税はほぼ全国一律で10%です。
「ほぼ」と記載したのは、ごく少数の自治体だけ、
若干の税率増減がある為ですが、
実質的に全国一律と考えても問題ありません。
この一律10%に均等割(年間4~5,000円)を
加算した金額が、納付する住民税額となります。
【申告・納付】
住民税の申告に関しては、
自治体の窓口で申告することが可能なのですが、
個人事業主においてはあまり考えなくても
問題ありません。
理由は、確定申告を行う事で
住民税の申告が省略されるからです。
結局、所得税も住民税も対象者の
1年間の所得額が知りたいわけですので、
管轄税務署に確定申告を行うと、
その申告内容がお住まいの自治体に共有される、
というわけです。実際に、確定申告書の中には
住民税の徴収方法に関する記載項目も存在します。
そして、この申告省略が可能となるもう一つの理由が、
所得税と住民税は納付時期が異なるためです。
所得税に関しては、確定申告と税金の納付が
同一の期限となりますが、
住民税は自治体から納付書が送られてくるので、
それに沿った期限で納付をしていく、
という違いがあります。
納付書の到着は6月初旬~中旬くらいで、
納付期限は、確定申告時に選択した年間一括なら6月、
4分割を選択した場合は6月・8月・10月・翌1月の期限で
納付していくことになります。
※概ね4分割を選択される方が一般的です。
ちなみにですが、会社勤めで年末調整を
実施されているような方に関しては、
住民税の納付書は勤務先企業に到着しています。
その上で、概ね12等分された住民税を
毎月の給与から天引きで支払うことになっています。
そして、個人事業主のようにご自身で
住民税を支払う方式を「普通徴収」と呼び、
勤務先企業が給与から天引きして支払う方式を
「特別徴収」と呼びます。
「普通徴収」は納税者本人に納税義務がありますが、
「特別徴収」は給与天引きからの支払いの為、
納税義務は納税者ではなく勤務先企業になります。
当然、納付状況は「特別徴収」の方が良いので、
国内の自治体は原則的に「特別徴収」を推進しており、
個人事業主や給与以外の所得が無い限り、
「普通徴収」に変更することは出来ません。
更に、会社勤めでの給与所得がある方に関しては、
個人としての事業所得等があったとしても、
給与分の住民税は恐らく「特別徴収」になるでしょう。
![]()
さて、今回の報告は以上です。
次回も同じテーマ
「個人事業主の税金」ということで、
今回触れなかった税科目について
お話をしていきたいと思います。
上記で申し上げました通り、
個人事業主においては、
確定申告が必須であり、とても重要です。
毎年、確定申告時期になると
期限ギリギリの内容も含めて、
税理士への依頼をご希望される
事業者様からのご相談を頂きますが、
事前の相談や節税、納税額想定等を含めると、
結果的に依頼するのであれば、
早い段階から税理士と関与しておいた方が
メリットが大きいのが事実ですし、
税理士の報酬に関しても
継続的に打ち合わせを行う契約でもしない限り、
確定申告直前に依頼するのと、
前もって税理士に依頼しておくのとでは、
「1期:○○万円」という報酬額はさほど変わりません。
- 今年開業したばかりで確定申告が不安
- 前年確定申告したが、もう自分でやるのは嫌だ
- 青色申告適用は自分では難しい
- 今後の法人化も検討している
という理由があるようでしたら、
早めに税理士を見つけておいた方が、
ご自身にとって大きくプラスです。
もし、上記の理由が当てはまるようでしたら、
個人事業主の応対に長けた税理士を
無料で紹介可能な下記サービスへ是非ご相談ください。
税理士紹介ネットワーク~タックスコンシェルジュ~
https://www.tax-concierge.net/
また、次回宜しくお願い致します。