こんにちは!諜報部長!税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。

さて、今回の報告テーマも、前回に引き続き「税理士が嫌がる・困るお客様について」
というテーマでお話させて頂きます。

税理士さんも事業者です。既に引退をお考えになられている方以外は、
「顧客を増やしたい!」というのは正直な本音ですが、
一方で、どんなお客様でも歓迎です!ということではありません。

私の職業柄、税理士さんが嫌がったり、応対に困ったりしたケースについて、
お話させて頂きます。

執拗な顧客紹介

■税理士が嫌がる・困るお客様~執拗な顧客紹介~

一般的な中小企業・個人事業者さんと比較すると、
税理士さんの方が多くの人脈を持っているのが通常です。

まず、お客様として多種多様な関与先企業があります。
業務上、関連する弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士などの
他士業などと付き合いがあります。
より社交的な方であれば、異業種交流会等に参加しての人脈や、
出身大学OB会などの繋がりもあったりします。

そのため、こういった事情をよく知る方は、税理士さんと「良好な関係」を築き、
自社のサービスを広げるために、税理士さんからの協力をお願いしている方も
多数いらっしゃいます。
保険外交員の方などがその代表的な例ですね。

ただ、このような状況は「良好な関係」が前提の話なのですが、
中には、それをすっとばして実益を得ようとする人がいらっしゃいます。。。
こういう方との商談は、大体上手くまとまりません・・・

●順序を間違えると好まれない

新しく税理士さんに契約を依頼しようとするときは、
まず、その税理士さんと相談したり、打ち合わせをしたりします。
そこで、事業主側の実情を税理士さんが理解し、
実務的に行う内容や見積もりを税理士さんから提示された上で、
事業主様がその方に依頼するかどうかを決定する、という流れが一般的です。

ですが、前述のすっとばしていく人との話は、全く違う打ち合わせになります。
実情の話から、自社のサービスの話になり、
遂には、税理士さんの持つ人脈に、自社のサービスを紹介してほしい、
ということが主題になります。

新しく税理士さんを探されている方との打ち合わせというのは、
税理士さんが見積もりを提示する、つまり、税理士さんにとっての商談なのですが、
いつの間にか、相手にとっての商談になっているわけです。
自分が営業する場だと思っていたら、いつの間にか相手が営業していた、
という状態です。

最初から、「自社のこういうサービスを広めたい!」という前提で
アポイントを取っていたのであれば別でしょうが、
「依頼する税理士さんを探している」という前提で商談に入り、
結果として自社の営業する、というのは税理士さんも・・・となってしまいます。

物事には順序があり、それを飛び越えてしまうことは
望ましい結果に繋がらないだけでなく、
相手に与える印象としても、良いものではありません。

当然、良い印象ではない人に紹介などするわけないので、
結果として、この人は何も得られない、というケースが殆どですが。。。

こういう方は税理士さんが多数の人脈を持っている!という優位性には気づいても、
得てして、税理士さんが「重要にしているもの」に気づいていないのです。

●税理士にとって重要なもの

当然、税理士さんにとって最も重要なものは顧客である関与先です。
また、目の前にいる新規関与先見込みの方と、既存の関与先であれば、
もちろん、「既存関与先」の方が重要です。

既存の関与先とは、関係構築も出来ています。信頼関係もあります。
また、税理士業界では、最も顧客が増加する経路が「既存関与先からの紹介」、
という事務所が一般的です。

つまり、既存関与先は、既存顧客というだけでなく、
新規顧客へつながる可能性のある有効な窓口なわけです。
税理士さんにとって、既存関与先というのはそれだけ重要なわけです。
その重要な人脈を自身が好印象を持たない人に対し、果たして紹介するでしょうか?

次に、税理士さんが重要にしているのは、「自分」です。
「自分の仕事」と言ってもいいかもしれません。

税理士さんは資格業であり、自分の名前で関与先の申告書に印鑑を捺印する仕事です。
最終的には全て個人の責任で仕事をしているわけです。

ですが、実益優先で順序を飛ばしていく人にとって、
自分が契約する税理士さんは「販売チャネル」の一つという考えだと思います。
※少なくとも税理士さんからはそう見えてしまいます。

事業者さん側のこういった考えが見えてしまうと、税理士さんとしては、
「自分の仕事の内容を評価するつもりは無いんだな」
「じゃあ、別に他の人に依頼すればいいんじゃないのかな?」
となってしまうわけです。

責任を持って関与先と付き合っている税理士さんであればあるほど、
上記のような考えになり、最終的には「お断りします」という回答を
税理士さん側から申し出る結果になります。

まあ、至極当然の結果というか、どの業界でも、自分が求めてばかりの方は、
あまり好まれませんよね。。。
自分がビジネスをする上では、決してこうならないよう、
気を引き締めたいものです。

今回の報告は以上となります。
次回も、同様のテーマで報告致しますので、宜しくお願い致します。