こんにちは!諜報部長!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。

さて、今回も前回に引き続き、
「税務調査に入られやすい個人事業主」
というテーマでお話をしていきます。

以前のテーマでも触れましたが、
春・秋は税務調査のシーズンです。
税務調査が集中する時期ということです。

「でも、個人事業は関係ないよね?」
と思っている方!
そんなことはありません!!

当然、対象となるのは
法人の方が多いですが、
個人事業主にもかかわらず、
税務調査対象となる方たちは、
どのような特徴があるのか?

そういった点について
お話をまとめていきます。




■税務調査に入られやすい個人事業主-②不正がある場合

前回の内容は、
「税理士関与していない」
という事業主について触れました。

税理士関与なしの事業主は、
「ミスや誤りが発生しやすく」
「不正も起きやすく」
「調査になっても税務署がやりやすい」
ということから、
税理士関与が無い事業主の方が、
税務調査対象になりやすい、
というお話をしました。

今回はもっと直球で、
「不正がある場合」
の事業主についてです。

●不正が起きる背景

個人事業主には給与(給料)
という概念がありません。

売上があって、必要経費を引いて、
残った利益が全て個人のものになります。
そして、その利益が大きくなるほど、
税金も大きくなってくるわけです。

事業主をスタートした直後は、
大抵のケースで売上を作ることで
頭が一杯です。
必死で働いて、必死で稼いで、
また次の仕事を受注して、
ということの繰り返しで、
他のことまで頭が回りません。

ですが、どんな事業主にも
確定申告の時期は訪れます。
これによって1年間の活動をまとめ、
税務署に申告を行う、
ということなのですが、
初めて確定申告をする人は、
この申告書を作ったときに
想像よりも多額の税額が計算され、
驚いてしまう人も結構いらっしゃいます。

そういったとき、
自分も税理士つけないと
いけないんだな!
という発想になればいいのですが、
周囲の同業者や取引先が
誰も税理士とお付き合いを
していない場合、
その決断に至らない場合もあります。

となると、やはり自分で申告を
することになるのですが、
ここでモラルが問われます。

納税は義務とはいえ、
自分が一生懸命稼いだお金を払うのは、
サラリーマン時代より抵抗が強いです。
さらに、勤めの時の税金は
毎月の給与から天引きですが、
個人事業者は1年分を一気に収めます。
となると、金額も大きくなりやすいもので、
更に抵抗感が強くなるわけです。

売上・利益を正直に申告して、
その上で税金を払うのが正しい、
ということは皆さんわかっていますが、
そこで出来心が生まれてしまう人も
残念ながら存在するのが事実です。

●不正をしてもすぐには指摘されない

前段の通り、
「ちょっとでも税金を下げたい」
という気持ちから、
実際の売上よりも少なくしたり、
実際よりも経費を多くしたり等々、
諸々の方法で申告内容をいじって、
確定申告をしたとします。

この場合でも、
申告は受領してもらえます。
そして、その申告書に応じた
納税額を支払えば、
すぐにお咎めはありません。

そして1年が経過し、
また確定申告の時期が来て、
「じゃあ、今年も・・・」
ということで、
前年同様に若干いじった申告書を
提出したとしても、
おそらく、また去年と同様で
計算された納税額を納付していれば、
その直後に問題は起きないでしょう。

そして、その次の年も、
更にその次の年も同様に進めて、
「あ、大丈夫かな?」
と思っている頃に、
税務署から連絡が来ることになります。

本人としては、
「どうして今更!!」
「今まで何も言ってないだろ!」
という気分になるかもしれません。

ですが、これが我が国で採用している
「申告納税制度」という仕組みなのです。

以前にもお話させて頂いたことがありますが、
申告納税制度は「自己申告」です。
なので、正しいかどうかは
全く担保されていません。
だからこそ、その自己申告の内容を
適正かどうか調べるための
「税務調査」というものが存在するのです。

※参照リンク:税務調査・追徴課税の怖さ①-まずどんなものなの?
http://www.y-chohobu.com/archives/1040

特に、このように同様の不正を
毎年継続している人の場合は、
恐らく早い段階で税務署は気づいているはずです。

ただ、すぐには指摘せず、
数年間待ってから、
ペナルティが大きくなってから、
確固たる証拠を持ってから、
税務調査に乗り出していると
思った方が良いです。

そして、この例にあるような
事業主さんの場合は、
「こんなことするんじゃなかった」
と思うようになるほど、
ペナルティが課されます。。。

●では不正行為ってどんなもの?

実際に不正行為といっても、
細かい方法は多々ありますが、
大きく分けて二つです。

【売上を減らす】

一番多い内容がこれです。
何故、売上を減らすのか?
というと、一番効果があるからです。

「売上-経費=利益」
税金の計算はざっくりいうと、
この「利益」が対象になります。
そして、この利益を小さくするため、
売上を減らそうという考えです。

さらに、もう一つ大きな意味を持つのが
消費税です。

以前の報告でも幾度か触れていますが、
「年商1,000万円未満」は免税事業者の為、
消費税の納付義務がありません。
しかも消費税は赤字でも納税の可能性があり、
年商1,000万円前後の売上の事業者には
大きな影響を及ぼすものです。

つまり、1,000万円を下回るかどうかで
税額が大きく変わる為、
売上を少なく申告するわけです。

【経費を増やす】

次の方法がこれです。
「売上-経費=利益」
という計算から導き出される
利益が税金計算の対象である以上、
売上をいじらない場合は、
経費をいじるしかありません。

特に個人事業主の場合、
利益が0円以下、
つまり「赤字」であれば、
税額は発生しません。
納税額が0円ということです。

ただ、個人事業で赤字というのは、
「今年は1円も稼いでいない」
ということなので、
今までの蓄えを潰して生活したか、
誰かから援助してもらっている、
ということになるのですが・・・。

少し話がそれましたが、
実際に払った経費よりも
大きい額を支払った、
ということで申告するのが、
この方法です。

●税務署には絶対にバレる

「売上を減らす」
「経費を増やす」
という2パターンにおいてですが、
実際にどういった方法を
行うかというのはそれぞれです。

  • 現金売上を記載しない
  • 入金額より少なく記載
  • 経費を水増しして記載
  • 架空の外注費
  • 不必要なものまで経費算入

・・・等々、色々思いつくのでは
ないでしょうか?

ですが、残念ながら、
税務署には必ずバレる
と思っておいた方がいいです。

正直、すぐ思いつくような方法というのは、
かなり昔から存在しており、
税務署の人たちは良く知っています。
しかも、そういった方法を行う人は、
大抵のケースで根っからの悪人ではない為、
その不正を隠すための裏工作が無く、
ちょっと調べたらすぐにバレるという
ないようばかりです。

不正を見抜くプロが税務署で
その経験と知識は組織内に蓄積されますが、
ご自身は事業主になったばかりで
税金に関しては素人なのです。
素人がやった不正行為など、
残念ながら絶対に痕跡が残る為、
税務署は簡単にわかってしまうのです。

●不正がある所から調査にくる

前回、税務調査の実施率(実調率)は
個人事業主に対しては1%程度、
というお話をしました。
たった1%しか実施されていないのです。

日本の制度は申告納税制度という
「自己申告」のやり方なので、
税務署側としては、
本来はもっと税務調査の
対象件数を増やしてをして
色々な事業主を調べたいはずです。

でも、時間も人員も限りがある・・・
となれば、どういう所が対象になるか?
当然、不正がある所が優先です。

問題無いところにわざわざ行って、
「おたくは問題無し!」
という事ばかりやるほど、
税務署は暇じゃない組織です。

「ちょっとした不正だから問題無い」
「何年も言われてないからOK」
と自分で答えを出してはいけません。

むしろ、不正をしても連絡が無いのは、
「今、指摘されていないだけ」
と考えるべきなのです。

これに恐ろしさを感じた方で、
税務署からの指摘がまだの人は、
「今のうちに」修正しましょう。
自発的にやれば、税務調査後より、
罰則は小さくなりますよ!

ということで、今回はここまでです。
次回も今回同様、
「税務調査に入られやすい個人事業主」
というテーマでお話していきます。

また、次回宜しくお願い致します。