諜報部長!お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。

今回は、「AI(人工知能)」についてです。
しっかりチェックしておきましょう!

AIで何ができる? ディープラーニングって何?

最近よく聞くようになってきたAI。
昔から映画などでもよくテーマに
なってきましたよね。

代表的なものは
スピルバーグ監督の「A.I.」や
ウィル・スミス主演の「I,Robot」など
人間とAIの関わり方がテーマでもありました。

近年の技術革新で
AIが頻繁に使われる時代に
突入しつつあります。

いまAIで何ができるのか?
今後どのように使われていくのか?
まとめてみます。

そもそもAIとは?

AIとはartificial intelligenceの略で、
人工知能のことです。
人間同様の知能を実現させるべく
コンピューター等を駆使して
人工的に作り上げた頭脳です。

具体的なイメージで言えば、
ドラえもんのように
相手との会話内容を理解し
自ら考え答えを返すようなことが
できるようなものです。

例えば・・・
のび太「ドラえもん!ドラえも~ん!(泣)」
ドラえもん「またテストで0点取ったのかい?きみは実にばかだなぁ。」

というように、
のび太の声色や態度を観察しつつ、
過去の事例から類推して
的確な感想を言えるわけです。

一方で、「人口無能」という言葉を
聞いたことあるでしょうか。
古くからインターネットで
遊んでいた方ならご存じだと思いますが、
簡単に言うとコンピューターが考えて
答えたような感じのする
チャットシステムです。

あらかじめ質問と回答になるキーワードや
文章を登録(学習)しておくことで、
その通りに応答するものです。

例えば、「ドラえもん=どこでもドア」
のような単語を辞書に登録(学習)をしておけば・・・

質問者「ドラえもん!ドラえも~ん!(泣)」
人口無能「どこでもドアー♪」
というような反応をします。

質問の言葉が学習した辞書に登録されていれば、
それに対応する回答を決められたパターンに
基づいて答える仕組みです。

質問と答えによっては、
あたかも人が答えているように
見えることから、かつては人口無能を
人だと思ってチャットし続けた人も
いたようです。

この人口無能のルーツは古く、
1966年にジョセフ・ワイゼンバウムが
「ELIZA」を発表されたものを
ベースに主に日本で独自に
発展してきたそうです。

※いまでも動作している人口無能がありましたので試してみたい方はこちらをどうぞ。
人口無能ハル http://www.okiniiri.com/chat/

AIの話をしているのに
人口無能の話をしたのは、
最近のAI研究では人口無能も
AIとして定義しているからです。

前述の人間並みの知能を持つAIを
「強いAI」と言い、
人口無能のような機械的な学習によって
再現されたものを
「弱いAI」と言います。

残念ながら現段階では
強いAIはこの世の中に存在していませんが、
「弱いAI」ながらもAIは
実用化段階まで来ています。

●AIと言えばSiri?

AIと言えば、「Siri」を思い浮かべる人も
いるのではないでしょうか?

Siriは、Apple社が開発した
iOSやmacOS向けの
音声アシスタントソフトウェアです。

iPhoneをお持ちの方は
よくご存じだと思いますが、
「ヘイ!Siri」
とiPhoneに話しかけると
「ご用件は何でしょう?」
と応答してくれて、
電話をかけたり天気予報を調べたり
メールを送ったりすることができます。
※同じような機能はAndroidにもありますね。

このSiriの仕組みは、
受けた音声データをAppleのサーバーに送り、
「音声認識」「自然言語理解」
「命令の実行」「返答」
の4つからステップを経て、
ユーザーに回答を行うものです。

技術的には、近年飛躍的に
進歩してきている機械学習の
技術を背景に実用化されたのが
Siriということになります。

余談ですが、Siriには都市伝説があり、
「面白い話して」と指示すると、
Siriの昔話をしてくれます。

そこに出てくるELIZAとは、
冒頭にご説明した
人口無能「ELIZA」のことのようです。

つまり、SiriはELIZAの概念を
取り入れて発展してきたシステム
だと言えそうです。

事実、Siriで遊んだことのある人であれば
おわかりだと思いますが、
かなりトンチンカンな回答するのも
珍しくありません。
その振る舞いは、ほぼ人口無能を思い出してしまいます。

では、現在のAIはどの辺が進歩しているのでしょうか?

●機械学習ディープラーニングとは

ディープラーニング
という言葉を聞いたことあるでしょうか。
去年、Google傘下の会社の開発した
AlphaGo(アルファ碁)が
囲碁のトッププロに勝利したことが
ニュースになりました。

このAlphaGoの強さの秘密が
ディープラーニングにあると言われています。

ディープラーニングとは、
人の神経回路をコンピューター上で模倣する
「ニューラルネットワーク」
という技術を発展させたもので、
3階層以上の神経細胞ニューロンの集団を
連鎖的に機能させることで
少しずつ学習させるシステムです。
画像の顔認識をするようなケースを
図で示すと次のようなイメージです。

左の女の子の画像を入力すると、
形状や色などを複数の機能別に
仕分けされたニューロンの層を通過して
最終的に識別できるように
学習する仕組みになっています。

多くの画像を入力することで、
どこをどのように区別していくべきか
を少しずつ学んでいき、
最終的には「この画像は○○ちゃんである」
と識別できるまでに学習できる
というのがディープラーニングの仕組みです。

AlphaGoは、
このようなディープラーニングの技術を使い、
過去の棋譜を画像的に解釈することで、
盤面の局面を大局的に把握することが
可能になったと言われています。

これは、従来のチェスや将棋の解釈とは
根本的に異なるもので、
革新的なものであると言えるでしょう。
このディープラーニングは、
現在様々な分野で応用されており、
画像認識や音声認識、文章読解、
音楽認識などなど
今後もますます広がっていくことでしょう。

ちなみに、冒頭でご紹介したSiriも
音声認識や文章読解などに
ディープラーニングが使われている
と言われており、
単純な辞書的な学習であった
人口無能より確実に進歩している
と言えるでしょう。

●実用化されつつあるAI




ディープラーニングの発達によって
AIはかなり実用化されています。
みなさんが使用しているサービスは、
かなりAIが使われている
と言っても過言ではありません。

GoogleやTwitter、Facebookなどの
メジャーなネットサービスは当然のこと、
その他のあらゆる業界でも利用が始まっています。

  • 自動車・自動車部品:生産、運転、事故防止
  • 建設:建設現場での各種作業
  • 医療:画像診断、見守り、健康アプリ
  • 不動産:防犯・監視による付加価値向上、物件検索
  • 生命保険:顧客に合わせた料率の計算。健康管理
  • 外食:調理、接客、マーケティング
  • 物流:積み替え、運転、戸口配送
  • 電力:点検、建設、廃炉作業、異常監視
  • 銀行:ネット銀行、コールセンター
  • スーパー:陳列、補充、会計、清掃、万引き監視、マーケティング
  • アパレル:陳列、補充、顧客行動分析、マーケティング
  • 介護:見守り、移動、トイレの世話、コミュニケーションアプリ
  • 農業:耕うん・整地、播種・育種、追肥・除草、収穫、調製、見張り
  • 損害保険:ネット保険
  • 家電小売:陳列、補充、在庫管理
  • 電気通信:設備保守、使用状況のモニタリング、異常監視
  • BtoC-EC:ネット販売の広告・推薦
  • 医療用医薬品:試行錯誤による製薬
  • コンビニ:陳列、補充、発注、防犯、顧客行動分析、販売促進
  • 住宅リフォーム:解体、搬入、塗装、設置、マーケティング
  • 中食:食品加工、配送
  • 鉄道:設備保守、異常監視、事故防止、移動からの広告表示
  • 百貨店:陳列、補充、清掃、防犯、実世界顧客行動分析
  • 広告:視聴者の反応分析、ネット広告
  • ドラッグストア:陳列、補充、発注、防犯、顧客行動分析

近年ポイントシステムが
あらゆる業界で導入されているのは、
顧客の特性を取集しやすいようにして
「ビックデータとして利用するため」
とも言われています。

●AIの未来

ディープラーニングの核となるのは、
「どれだけ多く学習することができるか」
にかかっていますが、
インターネットが発達した現在、
学習するためのデータは
比較的簡単に集まるようになってきました。
いわゆるビックデータです。

ビックデータとは、その名前の通り、
巨大で複雑なデータの集合のことです。
例えば、インスタグラムだけでも
膨大な数の写真が驚異的な速度で
アップロードされています。

こうした現在においては、
画像認識で学習するデータには
困ることはないでしょう。

つまり、AIの発展の背景には
インターネットが発達し、
学習するためのデータが
集めやすくなったのが
大きいと言うわけです。

また、これからの社会はIoT社会と言われ、
あらゆる物がインターネットに
繋がるとされています。
つまり、あらゆるものが
常にAIが学習するためのデータを
産み続ける社会になるというわけです。

例えば、最近自動車の自動停止装置が
話題ですが、これもディープラーニング
のたまものです。
それが常時インターネット接続する
ようになれば、常に学習データを
集めることができるようになり、
自動停止の精度を向上し続けることが
できるようになります。

これは、AIの発展にとって
想像以上の貢献を
することになるでしょう。

そういう意味では、
AIは実用的な分野を中心に発展を続け、
いずれドラえもんのような
思考をすることができるものが誕生するのも、
そう遠くない未来なのかもしれません。

以上、いかがでしょうか。
かなりザックリと端折って
まとめてみましたが、
現段階のAIの核にはディープラーニング、
ビッグデータがあることが
お分かり頂ければ十分だと思います。

実際のところ、
ドラえもん並のAIが誕生するには、
まだまだまだ乗り越えなくては
ならない技術的な壁があるのですが、
いずれ大きなブレイクスルーが
起きるに違いありません。

あと数年でどうこうなるとは思えませんが、
その日を期待しながら待ちたいですね。

それでは、今週の報告は以上です。
次回も宜しくお願い致します。