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さすらいの情報収集家Kです!

今回は旬なニュースですが、
「平成29年度税制改正法案」についてです。
しっかりチェックしておきましょう!!




■平成29年度税制改正法案が可決!主な変更点をチェックしておこう!

平成29年度の税制改正法案が3月27日の参議院本会議で賛成多数で可決されました。
今回の改正では、配偶者控除の見直しなどで紆余曲折ありましたが、
概ね予定通り実施された印象です。実際どのように変更されたのか要点をチェックしておきましょう。

●個人所得課税・資産課税

(1)配偶者控除・配偶者特別控除の見直し

働きたい人が控除を受けられなくなることを考慮して
労働時間をセーブする傾向をなくしていくために、配偶者控除の見直しが行われました。

①納税者本人の受ける控除額
⇒配偶者の給与収入の上限を、103万円から150万円に引き上げ。

②納税者本人の所得制限
⇒配偶者控除等が適用される納税者本人に収入制限が設けられました。
給与収入が1,120万円を超える場合は、控除額が徐々に少なくなり1,220万円以上で0になります。

参考)【配偶者控除】上限150万円に拡大でどうなるの?
http://www.y-chohobu.com/archives/1308
(2)「積立NISA」の創設

家計の資産形成を支援を目的として、
少額からの積み立て・分散投資を促進するために「積立NISA」を新たに創設されました。

参考)NISAってなにーさ?
http://www.y-chohobu.com/archives/1123
(3)事業承継税制の見直し

中小企業経営者の高齢化が進んでいる現状を踏まえ、
非上場株式等に係る相続税等の納税猶予制度をさらに使いやすく見直されました。

(4)国外財産に対する相続税等の納税義務の範囲の見直し

短期滞在の外国人同士の相続等については、国外財産を課税対象にしないことになりました。
また、租税回避を抑制するために、相続人等又は被相続人等が
10年以内に国内に住所を有する日本人の場合は、国内及び国外双方の財産を課税対象になりました。

●法人課税

(1)研究開発税制の見直し

研究開発投資を拡大するためにインセンティブの強化など、抜本的に見直されました。

①総額型の税額控除率の見直し
⇒これまでの総額型(企業の研究開発投資の一定割合を単純に減税する形)を見直し、
試験研究費の増減に応じた税額控除率となります。

②試験研究費へのサービス開発の追加
⇒新たなビジネス創出支援を目的にビックデータ等を活用した、
「第四次産業革命型」のサービス開発が新たに追加されます。

③オープンイノベーション型の運用改善
⇒共同研究・委託研究等のオープンイノベーション型の利用促進を図るため、
対象費目の拡大や手続きの簡素化などの要件が緩和されます。

(2)所得拡大促進税制の見直し

一定の条件を満たす企業が、給与支給額の増加分に対する税額控除が増額されます。
(大企業:税額控除10%→12%、中小企業:平均支給額が2%以上の場合10%→22%)

(3)コーポレートガバナンス改革・事業再編の環境整備

①法人税の申告期限の見直し
⇒企業と投資家の対話充実を目的として、法人税の申告期限が延長されます。
(事業年度終了から最大3か月後→6ヵ月後)

②役員給与に係る税制の整備
⇒役員給与の損金算入対象が拡大(株価連動給与等)されます。

③組織再編税制の見直し
⇒上場企業内の事業部門の分社化の際の譲渡損益を繰り延べる等、
組織の再編税制が整備されます。

(4)中堅・中小企業の支援

①地域経済をけん引する企業向けの投資促進税制の創設
⇒地域経済をけん引する事業者を支援するため、投資促進税制が創設されます。
(一定の要件を満たす企業の投資に対して特別償却・税額控除が適用されます)

②中小企業投資促進税制等の拡充等
⇒中小企業投資促進税制を改組、中小企業経営強化税制を創設などの拡充が行われます。

③中小企業向けの租特適用要件の見直し
⇒中小企業向け租税特別措置の適用要件が引き下げられます。

(5)地方拠点強化税制の拡充

地方拠点での新規雇用者数に応じた税額控除制度が拡充されます。

●消費課税

(1)酒税改革

ビール系飲料や醸造酒類の税率格差の解消などの酒税改革が行われます。

①税率構造の見直し
⇒十分な経過期間を設けながら段階的に税率が変更されます。
(ビール系飲料、清酒・果実酒、チューハイ等が対象)

②ビール系飲料の定義の見直し
⇒平成30年4月1日に、麦芽比率要件の緩和(67%→50%)や
副原料の範囲拡大(果実や一定の香辛料が追加)が行われます。

③地方創生に資する制度改正
⇒酒類製造者が外国人旅行者に酒類を販売した場合に、
消費税・酒税を免税する制度が創設されます(酒造ツーリズム免税制度の創設)。

(2)車体課税の見直し

燃費性能がより優れた自動車の普及促進のために、燃費基準の見直しが行われます。

(3)その他の措置

①到着時免税店の導入
⇒全国各地の空港の到着エリアに免税店の導入を可能とします。

②仮想通貨に係る課税関係の見直し
⇒利用実態や諸外国の税制などを踏まえ、仮想通貨の取引における消費税が非課税となります。

●国際課税

外国子会社合算税制の見直し

国際的な租税回避や脱税などを防止するために、一定条件に該当する外国子会社の所得相当額を
日本の親会社の所得と見なして合算課税する制度が総合的に見直されます。

【主な変更】
  • トリガー税率を廃止し、ペーパーカンパニー等の所得は原則、会社単位で合算
  • 会社単位の租税負担割合による制度適用免除基準を設定
  • 実質支配基準の導入と持株割合の計算方法の見直し
  • 事業基準・所在地国基準の判定方法の見直し
  • 非関連者基準の判定方法の見直し
  • 受動的所得の対象範囲の設定(配当、利子、無形資産の使用料等)

●災害対応

災害に関する税制上の対応

近年災害が頻発していることを踏まえて、従来の災害減免法等の規定に加えて、
災害に対応するための税制上の規定が常態化されます。

以上です。

全体を俯瞰してみると、やはり配偶者控除・特別控除の見直しが一番のポイントになると思います。
本来であれば、配偶者控除廃止の方向性でしたが、
妥協した結果、上限を引き上げるのみに留まりました。
これにより配偶者の就労が拡大すれば良いのですが、
実際は106万円・130万円にも壁があり、その効果は限定的となる気がします。

参考)扶養控除に新たな壁!106万円の壁って?
http://www.y-chohobu.com/archives/1166

今回の改正が微妙であった背景には、消費増税延期の影響が大きかったのでしょう。
結構忘れている人も多いと思いますが、本来であれば2017年4月1日に消費税が10%になるはずでした。
また、最近はまったく聞かない「軽減税率」についても導入されていたかもしれません。
消費増税は2019年10月まで延期されていますが、今後徐々に盛り上がってくるはずです。
そういう意味では、今後の動向に注視していく必要がありますね。

それでは、今回の報告は以上です。
また次週宜しくお願い致します!