諜報部長!お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです!

さっそくですが、今回も本題へ・・・
今回の報告も前回までに引き続き、
「2017年ゼロからわかる確定申告」ということで、
確定申告関連の内容となります。

<前3回:下記リンク参照>
※2017年ゼロからわかる確定申告-①確定申告のキホン2017年ゼロからわかる確定申告-②どの用紙を使ったらいいの?
2017年ゼロからわかる確定申告-③所得を計算しよう!

■2017年ゼロからわかる確定申告-④所得控除を活用しよう!

前回は所得の計算をしましたが、今回は所得控除についてです。
所得控除は、所得金額から差し引くことで税金を安くしたり、
返してもらったりすることができる制度です。
様々な制度がありますので、どのような種類があって自分が使えるものであるかをしっかり確認しましょう。

 ●所得控除とは

まずは記入欄の確認をしてみます。
確定申告書A様式、B様式ともに「所得金額」の欄の下にあります。
それぞれの項目を見ると記入欄の順番は違っていますが、どちらも同じ項目です。

この「所得から差し引かれる金額(所得控除額)」とは、
所得金額から特定の金額分を減らすことができる制度
です。
所得金額を減らすと何が良いのかわからない人もいるかもしれません。
確定申告は「所得税」を確定するための申告制度ですが、
この所得税は所得金額の一定割合を課税する制度です。
つまり、所得金額を差引ける所得控除という制度は、実質的に所得税を減額できることになるわけです。
ですので、所得控除を受けられるものがあれば、しっかり利用して所得税を減額させましょう。
それでは、どのようなものがあるか順番に見ていきましょう。

●いろいろある所得控除一覧

確定申告書B様式の順番にそって一覧にしてみました。
該当する項目があれば、その控除額を申告書に記載してください。

所得控除 所得控除が受けられる場合 控除額
雑損控除 災害や盗難等によって住宅や家財が損害を受けてやむを得ない支出があった場合 次のいずれかの多い方の金額

1.損失額-所得金額×10%

2.該当支出の金額-5万円

医療費控除 医療費が10万円or所得の5%以上あった場合 医療負担額-10万円

or

所得金額の5%

社会保険料控除 健康保険料・年金保険料などの社会保険料を負担している場合 支払った保険料の金額
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済等掛金を支払った場合 支払った掛金の金額
生命保険料控除 生命保険・共済を払った場合 一定の方式で計算

(最高12万円)

地震保険料控除 地震保険・長期損害保険等を支払った場合 一定の方式で計算

(最高5万円)

寄付金控除 国・公共団体・社会福祉法人・認定NPO法人などに寄付した時や政治献金をした時 寄附金額ー2千円

(上限:所得額の40%-2千円)

寡婦・寡夫控除 自分が寡婦・寡夫である場合

(寡婦・寡夫:配偶者と離婚・死別し認定された人)

27万円

(特定寡婦は35万円)

勤労学生・障害者控除 自分が勤労学生である場合 27万円
配偶者(特別)控除 自分に控除対象となる配偶者がいる場合

(配偶者の所得が38万円~76万円の場合)

一定の方式で計算

(最高38万円)

扶養控除 扶養親族がある場合

(子供の年齢や恒例の祖父母など特定の条件で変動)

38万円

(一定の条件で変動)

基礎控除 すべての人が対象 38万円

かなりいろんな種類の控除が受けられることがわかると思います。
特に結婚していて家族がいる方は該当するものが多くなると思います。
個別に確認してしっかり活用しましょう。

●個別に確認・計算する



1.雑損控除

雑損控除は、自身の資産について災害や盗難などによって損害を受けた場合に、
その損失の一部を所得から差し引くことができる制度です。

【対象となる資産】
  • 納税者本人のもの
  • 納税者と生計を一にしている親族で所得が38万円以下の人のもの
【対象となる損害の原因】
  1. 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
  2. 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
  3. 害虫などの生物による異常な災害
  4. 盗難
  5. 横領
【計算方法】

次のうち多い金額が雑損控除額となります。

  1. 差引損失額-総所得金額等×10%
  2. 差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円
    ※差引損失額=損害金額+災害等に関連したやむを得ない支出の金額
    -保険金などにより補てんされる金額

2.医療費控除

医療費控除は、生計を一にする親族のために支払った医療費の一部が控除される制度です。

【対象となる医療費】
  • 病院、歯科の治療費、薬代
  • 薬局で買った市販の風邪薬
  • 入院の部屋代、食事の費用
  • 妊娠中の定期健診、検査費用
  • 出産の入院費
  • 病院までの交通費
  • 子どもの治療のための歯科矯正
  • 在宅で介護保険をつかった時の介護費用
【計算方法】

医療費控除額=(医療費控除の対象になる医療費-保険金等で補てんされた金額)
-10万円(総所得200万円未満の人は総所得金額等×5%)

3.社会保険料控除

社会保険料を支払った場合に受けられる所得控除です。
控除できる金額は、その年に実際に支払った金額や給与や年金から
差し引かれた金額の全額となります。
この際の保険料は、納税者本人および生計を一にする配偶者や親族の負担すべき保険料を含みます。

具体的に、控除の対象となる社会保険料は次のようなものです。

【対象となる社会保険料】
  1. 健康保険、国民年金、厚生年金保険及び船員保険の保険料
  2. 国民健康保険の保険料または国民健康保険税
  3. 後期高齢者医療保険料
  4. 介護保険料
  5. 雇用保険の労働保険料
  6. 国民年金基金の掛金
  7. 厚生年金基金の掛金
  8. 国家公務員共済組合、地方公務員等共済組合、私立学校教職員組合、
    恩給法等の規定による掛金、納付金または納金
  9. 労災保険の特別加入の保険料
  10. 地方公共団体職員による互助会の掛金
  11. 独立行政法人農業者年金基金の保険料
  12. 国家公務員共済組合の掛金
  13. 健康保険法附則又は船員保険法附則の規定により被保険者が承認法人等に支払う負担金

一般的に、サラリーマンなどの給与所得者であれば、
ほとんどの社会保険料は給料から天引きされており、控除処理はされていますので申告不要です。
が、転職期間中に支払った社会保険料など忘れずに申告するようにしましょう。

【計算方法】

その年に支払った社会保険料全額

4.小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済とは、個人事業主が事業を廃止した場合や会社等の役員が
退職した場合などに受け取ることができる共済制度です。
こうした共済制度への掛金についても控除を受けることができます。
控除金額は、その年に支払った掛金全額となります。

【計算方法】

その年に支払った掛金全額

5.生命保険料控除

生命保険料控除は、生命保険料を支払った際に一定額の控除を受けることができます。
生命保険料の控除対象は、「一般の生命保険料」「個人年金保険料」「介護保険料」の3種類あります。
また、一般の生命保険料と個人年金保険料は、契約日が平成23年12月31日以前(旧契約)のものと、
それ以降(新契約)のものとで計算方法が異なります。

この種類に応じて、控除される金額の上限が次のように異なります。

新契約 旧契約
生命保険料控除 最高4万円 最高5万円
介護医療保険料控除 最高4万円
個人年金保険料控除 最高4万円 最高5万円

実際の控除額の計算は、保険会社から送られてきた
「保険料控除証明書」をしっかりと確認して行いましょう。
また、各保険会社がホームページなどで保険料控除額の計算ツールを公開しています。

主要な保険会社の計算ツールをまとめましたので、活用してみてください。

・第一生命|保険料控除額計算サポートツール
http://www.dai-ichi-life.co.jp/examine/deduction/tool/

・日本生命|保険料控除額かんたんシミュレーション
https://www.nissay.co.jp/keiyaku/oshirase/hokenryokojo/simulation/

・明治安田生命|生命保険料控除申告額試算サポートツール
http://www.meijiyasuda.co.jp/contractor/deduction/support_tool/index.html

・ソニー生命|生命保険料控除申告サポートツール
http://www.sonylife.co.jp/contractor/cs/fp/tools/deduction.html

・住友生命|生命保険料控除申告サポートツール
http://www.sumitomolife.co.jp/infolist/revise/sinkokutool/

6.地震保険料控除

地震保険料控除は、地震保険料の支払額に応じて一定額の控除を受けることができます。
控除の対象となるのは、本人または生計を一にする親族が所有する居住用の住宅や家財を
目的とした地震保険が対象で、最高5万円まで控除することができます。

また、平成19年分から損害保険料控除は廃止されましたが、
経過措置として次の要件を満たす長期損害保険については、
地震保険料控除の対象とすることができます。

【対象となる保険料】
  1. 平成18年12月31日までに締結した契約
  2. 満期返戻金等のあるもので保健期間または共済期間が10年以上のもの
  3. 平成19年1月1日以後にその損害保険契約等の変更をしていないもの
【計算方法】
年間の支払保険料合計 控除額
地震保険料 5万円以下 支払金額
5万円超 5万円
旧長期損害保険料 1万円以下 支払金額
1万円超2万円以下 支払金額÷2+5千円
2万円超 1万5千円
上記両方の場合 それぞれの計算方法で計算した合計額
(上限5万円)

7.寄付金控除

国や地方公共団体、社会福祉法人、認定NPO法人に寄付した時や
政治献金をした時など本人が特定の寄付をした時に一定額を控除できます。
控除を受けるためには、寄付金を支払った時に受け取った領収書を貼る必要があります。

【計算方法】

・寄付金控除
1.特定寄付金の額ー2,000円
2.総所得金額の40%ー2,000円
※1、2のいずれか少ない方

・政党等寄附金
(その年中に支出した政党等に対する寄附金の額の合計額-2千円)×30%
=(政党等寄附金特別控除額)

・認定NPO法人等
(その年中に支出した認定NPO法人等に対する寄附金の額の合計額-2千円)×40%
=(認定NPO法人等寄附金特別控除額)

・公益社団法人等
(その年中に支出した公益社団法人等に対する寄附金(※)の額の合計額-2千円)×40%
=(公益社団法人等寄附金特別控除額)
※一定の要件を満たすもの

8.寡婦・寡夫控除

シングルマザーやシングルファザーのための所得控除です。
離婚などの理由でシングルで自立し、子育てを頑張っている方は、所得控除を受けられます。
男女で若干の要件が異なりますので注意が必要です。

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寡婦控除

次のいずれかの要件を満たす場合は寡婦控除27万円が適用されます。

  1. 夫と死別または離婚した人で、扶養親族がいる人または生計を一にする子がいる人。
    この場合の子は、総所得金額等が38万円以下に限られます。
  2. 夫と死別または離婚した人で、合計所得金額が500万円以下の人。
特別の寡婦控除

寡婦に該当する方が次の要件のすべてを満たすときは、特定の寡婦に該当し、
寡婦控除27万円に8万円を加算されます(寡婦控除が35万円になる)。

  1. 夫と死別または離婚した人。
  2. 扶養親族である子がいる人。
  3. 合計所得金額が500万円以下であること。
寡夫

次のすべての要件を満たす場合は寡婦控除27万円が適用されます。

  1. 合計所得金額が500万円以下であること。
  2. 妻と死別または離婚した人。
  3. 生計を一にする子がいる人。この場合の子は、総所得金額等が38万円以下に限られます。
    ※その年の12月31日の現況で判断されます。

9.勤労学生控除

納税者本人が働きながら学校に通っている場合は、勤労学生控除27万円を受けることができます。

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納税者が、勤労学生に当てはまる場合に受けられる所得控除です。

勤労学生とは、次の要件すべてを満たす人です(12月31日時点で)。

  1. 給与所得などの勤労による所得があること
  2. 合計所得金額が65万円以下で、しかも(1)の勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下であること
  3. 特定の学校の学生、生徒であること

この場合の学校とは、次のいずれかの学校です。

  • イ 学校教育法に規定する小学校、中学校、高校、大学、高専など
  • ロ 国、地方公共団体、学校法人等により設置された専修学校
    または各種学校のうち一定の課程を履修させるもの
  • ハ 職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の課程を履修させるもの

10.障害者控除

納税者本人や配偶者、扶養親族が障害者の場合は、
前述の控除に加えて一定金額の所得控除を受けられます。

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  • 障害者一人につき27万円
  • 特別障害者に該当する場合は40万円
  • 控除対象配偶者又は扶養親族が特別障害者に該当し、かつ納税者又は納税者の配偶者
    もしくは納税者と生計を一にするその他の親族のいずれかとの同居を状況としている場合は75万円
    ※なお、障害者控除は扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族を
    有する場合においても適用されます。

11.配偶者控除

結婚されていてパートナーが専業主婦(夫)であったり、
そのパートナーが多少パートをされているような場合は控除が受けられます。
また、そのパートナーが高齢者の場合は優遇されます。

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控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。
控除対象配偶者とは、次の要件すべてを満たす人です(12月31日時点で)。

  1. 民法上の配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)
  2. 納税者と生計を一にしていること
  3. 年間の合計所得金額が38万円以下であること。(給与のみの場合は103万円以下)
  4. 青色申告者の事業従事者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと
    又は白色申告者の事業専従者でないこと
区分 控除額
一般の控除対象配偶者 38万円
老人控除対象配偶者(※) 48万円

※老人控除対象配偶者とは、控除対象配偶者のうち、
その年12月31日現在の年齢が70歳以上の人を言います。
なお、配偶者が障害者の場合には、配偶者控除の他に障害者控除27万円
(特別障害者の場合は40万円、同居特別障害者の場合は75万円)が控除できます。

12.配偶者特別控除

配偶者の所得が38万円を超えて配偶者控除を受けられないときでも、
段階的に所得控除が受けられる制度です。

【対象となる条件】
  1. 控除を受ける人のその年における合計所得金額が1千万円以下であること。
  2. 配偶者が、次の五つの要件全てに当てはまること。
  • イ 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
  • ロ 控除を受ける人と生計を一にしていること。
  • ハ その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと
    又は白色申告者の事業専従者でないこと。
  • ニ 他の人の扶養親族となっていないこと。
  • ホ 年間の合計所得金額が38万円超76万円未満であること。
配偶者の所得 控除額
38万円以上~40万円未満 38万円
40万円以上~45万円未満 36万円
45万円以上~50万円未満 31万円
50万円以上~55万円未満 26万円
55万円以上~60万円未満 21万円
60万円以上~65万円未満 16万円
65万円以上~70万円未満 11万円
70万円以上~75万円未満 6万円
75万円以上~76万円未満 3万円
76万円以上 0円

13.扶養控除

自分の子供や同居しているおじいちゃん・おばあちゃん、
さらには一緒に住んでいないけど扶養している親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)
までは扶養控除を受けられます。

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16歳以上の扶養親族がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。
扶養親族とは、次の要件すべてを満たす人です(12月31日時点で)。

  1. 配偶者以外の親族又は都道府県知事から養育を委託された児童(里子)や
    市区町村長から養護を委託された老人であること
  2. 納税者と生計を一にしていること
  3. 年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみの場合は103万円以下)。
  4. 青色申告者の事業従事者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと
    又は白色申告者の事業専従者でないこと
区分 控除額
一般の控除対象扶養親族(※1) 38万円
特定扶養親族(※2) 63万円
老人扶養親族(※3) 同居老親等以外の者 48万円
同居老親等(※4) 58万円

※1 控除対象扶養親族:扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人を言います。
※2 特定扶養親族:控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が
19歳以上23歳未満の人を言います。
※3 老人扶養親族:控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が70歳以上の人を言います。
※4 同居老親等:老人扶養親族のうち、納税者又はその配偶者の直系の尊属(父母・祖父母等)で、
納税者又はその配偶者と常に同居している人を言います。

14.基礎控除

誰でも条件に関係なく受けられるもので、一律38万円所得控除されます。
ケータイ料金で言うところの「誰でも割」のようなものです。

多くの項目がありますが、所得税が安くなる制度ですからもれなくチェックしてください。
確定申告は自己申告の制度ですから、うっかり洩れていたりしても勝手に適用されることはありません。
損をしないようにしっかりと確認・計算して洩れなく申請しましょう。

それでは、今回の報告は以上です。
また次週宜しくお願い致します!